30万円だったお布施が60万円に増額は拒否できる?「お寺の疑問」に答えます
■檀家がしなければならないこと Q 私の家は祖父母の代から今のお寺の檀家となっています。先年死んだ父に寺のことはすべて任せていたので、いざ自分の代になると檀家として何をやらなければいけないかわかりません。檀家としてしなければならないこととは何でしょうか。(50代男性) A 「檀家」と通称されていますが、戦後は家制度が廃され、信仰は個人単位となりましたので、正確には「檀徒」または「檀信徒」といいます。
檀徒とは、寺を信仰的かつ経済的に支えるメンバーということです。 具体的に挙げてみましょう。家族の墓や納骨壇が寺墓地あるいは寺の納骨堂にあれば、その管理料相当額を定期的に年1~2回、1万~2万円程度を納めます。 また多くのお寺では檀徒総代会で年に5000円から1万円程度の「護寺会費」を徴収しています。寺を護持するための費用で、寺の修繕費などに充てられます。 そのほかには、月参りと称して死亡した家族の命日の月に、僧侶が各家を訪問してお経を上げてくれることがあります。家族の死者が3人いれば年3回となり、1回3000~5000円ほどを包むことが多いようです。
またお盆や春秋の彼岸には、寺院で法要が行われます。参加する場合の金額は定まっていないものの、3000~5000円程度を包むことが多いようです。 亡くなった家族の葬儀や、一周忌などの法事をお願いすれば、この場合も定額ではありませんが、それぞれ任意のお布施を包むことになります。 寺がリフォームするなどして多額の修繕費、改築費を要するときは総代会で予算を決め、檀徒に寄進をお願いすることがあります。 さらに経済的なことだけではなく、寺の主催する行事への参加についても檀徒は要請されることがあります。参加するだけではなく、寺の行事で受付、案内、設営などの仕事が割り当てられ、協力を求められることもあります。
寺によって檀徒に期待していることは異なります。まずは住職や総代の人に伺ってみてはいかがでしょうか。 寺が困っているのは、お寺の行事や経済を積極的に支えてくれる人(アクティブなメンバー)が、檀徒の中で年々減少していることです。あくまで任意ではありますが、できる限り参加・協力したいところです。 ■「宗派不問」の墓地は? Q 父は次男なので、今住んでいる市に新しく墓を求めました。「〇〇寺霊園」という名ですが「宗派不問」とありました。父母が死んだ場合、この寺に葬儀や法事をお願いする必要はありますか。(60代女性)