ゆりやん主演Netflix「極悪女王」配信スタート! 80年代女子プロレスブームついに海を越える
女子プロレスラー最恐のヒール・ダンプ松本(63)の半生を描いた「極悪女王」(Netflix)の配信記念イベントが12日、後楽園ホール(文京区)で行われ話題になっている。同作は19日に全5話で世界配信されるが、早くも「地面師たち」を上回る期待値ともっぱらである。 【秘話】プロレスラー井上京子さん「借金で3回死のうと思った」…現在も貧乏継続中 ダンプ松本役を演じた、ゆりやんレトリィバァ(33)は、コロナ禍前にスリムになった体を、この作品のために40キロも増量。マイクパフォーマンスもそっくりで、「日本中から嫌われて、どれだけ誹謗中傷を受けても“ダンプ松本”として24時間生きて、なにがあってもダンプ松本を貫かれた姿を本当に尊敬します。『ダンプ帰れ!』という声に私は撮影の中で自然と手が震えてて、涙がなぜか止まらないときもあって……。『ダンプさんもこういう気持ちだったのかな』と、すごい覚悟だなと」と涙がこみあげる場面もあった。
当時の垂れ幕やファンの持っていたメガホンや法被など細部に至るまで再現
長与千種(59)がプロレスを監修し、80年代全盛期の女子プロレスを忠実に再現。昭和の時代背景などの再現率の高さも話題になっている。元「月刊プロレスファン」編集長で「3人目のクラッシュ」といわれている、エンタメライターの伊藤雅奈子氏はこう言う。 「プロレス雑誌の編集長などから資料提供してもらい、当時の垂れ幕やファンの持っていたメガホンや法被など細部に至るまで再現されているのは確かです。でも心揺さぶられるのは、長与さんが言っていた『99.9%本物』な点にあると思います。筋肉の盛り上がり、あざは本当にプロレスをやったからできたもので、12人の女優が完全にプロレスラーになったからこそ役に憑依し、プロレスを知らない人も引き付けるし、当時を知るプロレスファンも共感できる。そして、ダンプさんの数奇な人生と24時間ダンプ松本でいた、真実の強さが胸を打つ。当時の全女は家庭環境が良くないなど“逃げる場所がない”子を採用するという、昭和の女工哀史的要素もありました。ハラスメントまみれの中、生きようとするレスラーのたけだけしさ、ウーマンズパワーは世界が共感できるはず。ダンプさんはプロレスで生き残るためにヒールになるしか道がなく、SNSがない分、直接的に罵詈雑言を浴び、全国の女子プロファンに憎いと思わせた。これほど徹底したヒールは後にも先にもダンプ松本さんしかいません」 Netflixの日本制作作品といえば「全裸監督」(19年)、「サンクチュアリ-聖域-」(23年)が世界でヒット。7月末に配信した「地面師たち」は6週連続1位、予告編の動画は現在82万回視聴だが、「極悪女王」は配信前にもかかわらず、すでに予告編の動画が350万回超え。80年代女子プロブーム再燃は確実だろう。アメリカに移住したゆりやんにとっては世界進出の足がかりになること必至である。 ◇ ◇ ◇ ついに日の目を見た「極悪女王」だが、制作期間の間には複数のハプニングが起きていた。●関連記事【もっと読む】では、ハプニングのたびに撮影に影響が出ていた様子を伝えている。