前回の日本と重ね合わせて豪州を警戒する長友「僕らはそこから6連勝して、チームが生まれ変わった。そこが怖い」
自信を過信に変えないためにチームを引き締めている。開幕3連勝で迎える15日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)に向け、日本代表DF長友佑都(FC東京)は「3連勝して、これ以上ないスタートを切れた。自信を持つことはいいけど、過信にならず、油断しないことが大事になってくる」と力を込めた。 【写真】「昇天した」「救急車で運ばれちゃう」伊東純也のモデル顔負けショットに大反響…久保建英らも脱帽 順調な滑り出しを切ったという意味では、2連勝スタートだったブラジルW杯のアジア最終予選と似ている部分もある。「ザックジャパンのときはもっとキャラの濃い選手がいて、みんなギラギラしていた。ただ、僕自身、痛い目にも遭っている。紙一重ではあるけど、自信が過信につながっていたのかなと」。10年以上前の記憶を呼び起こす長友は「これだけ経験していても、これが自信なのか、それとも過信なのかというのは難しい」と思案する。 だからこそ、5試合連続ベンチ外という状況でもムードメーカーとしてチームを盛り上げ、大事な場面では喝を入れてチームを引き締めてきた。「だれもができないからこそ僕がここにいると思っている」。そう自身の役割を受け止めつつ、「もちろん選手としてピッチに立ちたいけど、僕の目標は次のW杯にある。そのためにはチームが勝たないといけないし、W杯に出場しないといけない。このチームを勝たせないといけない。自分の目標や夢を叶えるためにも、今はどんな立場でもチームのために戦いたいと思っている」と力説した。 黒星スタートだった前回の最終予選は3戦目もアウェーでサウジアラビアに敗れ、1勝2敗という崖っぷちの状況でホームのオーストラリア戦を迎えた。そこから4-1-4-1へのシステム変更もあり、怒涛の6連勝でW杯への切符をつかみ取った。そんな前回の自分たちと今回のオーストラリアを重ね合わせて見ている。 オーストラリアは今回の最終予選で1分1敗スタートとなり、監督も交代。追い込まれた状況で今月10日の中国戦を迎え、3-1の逆転勝利で初勝利を飾った。「選手のモチベーションという意味では、前回の最終予選で僕らが負けて崖っぷちになったときの緊張感のようなものが、こないだの中国戦でオーストラリアの選手から伝わってきた。そこが怖いなと」。そう指摘する長友は「僕らはそこから6連勝して、チームが生まれ変わった。そこに怖さがある」と警戒した。 スタンドから見守ったサウジアラビア戦で、長友が「この試合は勝てるなと思った」シーンがあった。前半27分にサウジアラビアのシュートを立て続けに日本の選手が身体を投げ出してブロックした場面。「彼らの魂を見たというか、代表はこうやって戦うべきだというのを体現してくれた」。チームメイトが見せた気迫のブロックを称え、「それはうれしかったし、彼らがアジア杯でアジアは甘くないということを学んだ経験が出ていると思う」と、チームとしての成長を実感していた。