山崎賢人“湊”の成長ぶりにも心打たれる「グッド・ドクター」 小児外科の存在意義をまっすぐ訴えかけるクライマックス
現在FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」で順次無料公開中のドラマ「グッド・ドクター」(2018年、フジテレビ系)。フジテレビ「木曜劇場」枠で放送された際には、同枠34年の歴史で初めて第9話・最終回の2回連続で15分延長するなど、当時も大きな話題を呼んだ作品だ。 【写真】漫画「アンダーニンジャ」の実写化作品で主演に抜擢された山崎賢人 ドラマのストーリーはもちろんのこと、作品全体を通して訴えかけられているのが、日本の小児外科の必要性。10月2日(水)まで無料公開中の第8話では“きょうだい児”の問題が、5日(土)までの第9話では小児患者への告知の問題の難しさが描かれた。(以下、ネタバレがあります) ■「自分もきょうだい児だった」の声も 「グッド・ドクター」は、2013年に放送された韓国KBSの同名ドラマを原作に、自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群の青年・新堂湊(山崎)が周囲の偏見や困難を乗り越えて医師として成長していく姿を描く。 第8話では、がんを患う少年・陽翔(鳥越壮真)とその兄・翔太(池田優斗)、そして2人の母・香織(酒井若菜)のエピソードを通して、我慢を強いられることもある“きょうだい児”の問題が取り上げられた。 学校にも行けず、家族とも思うように会えない中で闘病を続ける弟・陽翔と、香織が陽翔につきっきりなのが寂しく、うらやましい兄・翔太。ともに家族のことを心配しながらも素直になれない2人が、湊のアシストで笑顔になる過程が描かれ、視聴者からはドラマの感想に加え、「自分もきょうだい児だった」「きょうだい児の問題を初めて知った」といった、問題そのものに目を向ける声も多く上がった。 続く第9話は、バスケットボールの練習中に水頭症を発症した高校生・滝川亮平(萩原利久)と、彼に片想いする小児外科入院患者・森下伊代(松風理咲)のエピソード。 「もし元気になって退院できたら、亮平くんのバスケの試合、観に行ってもいい?」「もちろん」「やったー!」と無邪気な会話を交わす2人だが、伊代はまた手術をしなければならないことを、そして亮平は水頭症が治ってももう歩くことは難しいという事実を知らされていなかった――。 ■「小児外科の現状が少しでも良くなってほしい」 レジデントとして働き始めたばかりの湊は、患者である子どもたちがショックを受けることを恐れて親たちが告知をためらうことが理解できなかった。8日(火)まで無料公開中の第1話では、小児患者の親たちの気持ちが理解できない湊の失敗が描かれている。 だが第9話には、患者家族の思いを理解する湊の姿が――。2018年の地上波放送時にも、視聴者から「湊先生、ホント成長したよ…」「患者さんのために黙ってるなんてすごい成長!」「前は本当のこと全部言っちゃってたのに」の声が上がった感動回だ。 湊を演じる山崎自身、放送時の取材に「『グッド・ドクター』という作品を通して、少ないといわれる日本の小児外科の現状が少しでも良くなってほしいという思いを伝えていくのはもちろんですけど、やっぱりエンターテインメント作品ですから見た人に元気を与えたいし、感動してほしい。そのために、今回は撮影前からスタッフの方とかなり話し合いました」と、メッセージ性とエンターテインメント性のバランスについて心を砕いていることを打ち明けていた。第8・9話は、その熱い思いがより強く感じられるエピソードだ。 「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」では人気ドラマを順次、FOD・TVerにて無料公開中。現在は「グッド・ドクター」のほか「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(2020年)や「ようこそ、わが家へ」(2015年)、「振り返れば奴がいる」(1993年)などがラインナップされている。 ※山崎賢人の「崎」は正しくは「立さき」