キャッチャーは今年候補が少ないが、最も評価が高いと見られているのが箱山遥人（健大高崎）だ。春夏の甲子園でも攻守に高い能力を示しており、高いキャプテンシーを評価する声も多い。松川虎生（ロッテ）もサプライズ的な指名だっただけに、捕手をどうしても優先したいという球団が思い切って1位指名に踏み切る可能性もゼロではないだろう。 　ショートで評価が高いのが斎藤大翔（金沢）だ。甲子園や北信越大会など大舞台の出場経験はないが、抜群のフットワークと強い送球は際立っており、守備に関しては高校ナンバーワンの呼び声が高い。昨年も横山聖哉（オリックス）が1位指名を受けているだけに、斎藤も1位の12人に入ってくることは十分に考えられる。 　ここまで名前が挙がった選手に関しては想定の範囲内と言え、これ以外の選手であればサプライズと言ってよいのではないだろうか。まず高校生投手では高橋幸佑（北照）、清水大暉（前橋商）、村上泰斗（神戸弘陵）の3人を挙げたい。高橋はコンスタントに145キロを超えるスピードを誇る本格派左腕。4月に行われたU18侍ジャパン候補合宿で一躍評価を上げた。今年は左投手の有力候補が少ないだけに、高橋を高く評価している球団も多いはずだ。 　清水は193cmの長身が魅力。未完成な部分も多いが、大化けが期待できるタイプで、こういう高校生投手は高く評価されやすい。総合力が光るのが村上だ。180cm、76kgと体格的には大型ではないが、ストレート、変化球いずれも高レベルで、高校時代の山本由伸（ドジャース）と雰囲気が重なる。中学時代は捕手で、まだまだ成長の余地を残しているというのもプラスとなりそうだ。 　高校生以外の投手で浮上してくる可能性がありそうなのが伊原陵人（NTT西日本）だ。智弁学園、大阪商業大でも活躍していた左腕だが、社会人で見違えるほどストレートが力強くなった。7月に行われた都市対抗ではボールの回転数も表示されていたが、ストレートの回転数はプロでもトップクラスの数字を誇る。高橋のところでも触れたが左腕の有力候補が少なく、早くから使える投手が欲しい球団のニーズにマッチした選手と言える。