「老いた親がなにも相談してくれなくてトラブルに」ケンカにならずに済む人がやっていること
● 「押すのではなく引く」コミュニケーションが大事 ×の例は、「なんで大ごとになるまで黙ってるの? 早めに相談してって言ったじゃん!」と親に伝えました。言っていることに間違いはなにもありません。 しかし、この伝え方だと親に「ごめんなさい」と言わせるところからスタートしてしまいます。皆さんにも経験があると思いますが、謝罪からはじめる会話ほど気持ちがつらいことはありません。その場から逃げ出したくなりますし、言い訳もしたくなります。ましてや実の子どもに叱責されたら非常に悲しい気持ちになるでしょう。 そのため、まずは「味方であることを理解してもらう」プロセスを踏むのがいいでしょう。加えて、そのときに「助けてあげる」という上から目線ではなく、ともに乗り越える仲間なんだと認識してもらえる状態を作り出せたらよりよい方向に進むでしょう。 たとえば、〇の例のように「つらい思いをさせてごめんね。全力で助けるから、これまでのいきさつを教えてくれる?」のような声かけができると親としては「自分を責めることなく助けてくれようとしている」というメッセージを素直に受け取ることができます。 ときには「押すのではなく引く」。この意識を持っていただけると非常にいいかと思います。
萩原礼紀