日銀の植田和男総裁、追加利上げは「物価安定目標の実現に資する」…「米でインフレ再燃リスクも」
日本銀行の植田和男総裁は18日、名古屋市内で講演し、追加利上げを念頭に「金融緩和の度合いを少しずつ調整していくことは、息の長い成長を支え、物価安定目標を実現していくことに資する」と述べた。
植田氏は、追加利上げの判断時期について、「先行きの経済・物価・金融情勢次第だ」とし、経済・物価情勢を見極めた上で判断する姿勢を強調した。その上で、「毎回の金融政策決定会合で経済・物価の現状評価や見通しをアップデートしながら、政策判断を行っていく」と語った。
経済・物価の先行きを見通す上で、海外経済と賃金の動向がカギになると指摘した。積極的な財政政策などを掲げるトランプ次期大統領を念頭に、「米国でインフレ(物価上昇)が再燃するリスクも否定できない」と語った。
賃金動向については、「今後の労使交渉の展開や、コストに占める人件費の比率が高いサービス価格がしっかり上がっていくかを注目したい」と述べた。
日銀は7月の決定会合で、政策金利を0・25%程度に引き上げることを決め、9月と10月は金利を据え置いた。市場では、早ければ12月会合で追加利上げを決めるとの見方がある。