AAA絶賛「同じ空間にいるような臨場感」VRは音楽シーンをどう変えるのか
VR元年と言われている2016年。 「VR」とは仮想現実(バーチャル・リアリティー)の略で、コンピュータなどで作り出されたサイバースペースをあたかも現実のように体験できる技術の総称だ。 主に頭にゴーグルのようなものを被ることで、仮想空間上の映像などをよりリアルに体感できて、中には、手や身体に機器を装着することで、触覚まで味わえるものもあるという。 10月にはソニーが、VRヘッドセットを被ることでプレイヤーの360度全方向を取り囲む迫力のある3D空間が出現し、オーディオ技術と連動して臨場感あふれるゲームの世界を体験できるという、PlayStation(R)VRを発売。 今後、VRはゲーム以外にも医療分野やエンターテインメント分野全般で普及し、その市場規模は2020年には数兆円規模になると言われている。
続々と始まる芸能界とVRのコラボ
実際、芸能界でも今年に入ってからVRとの“コラボ”が目立ちはじめている。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(UFJ)では、今年1月からきゃりーぱみゅぱみゅとコラボし、VRを利用した体験型アトラクション「きゃりーぱみゅぱみゅXRライド」を展開。 また、日本テレビは、7月2日に放送された音楽番組「THE MUSIC DAY 夏のはじまり。」の連動企画として、AKB48グループが出演する360度のパノラマ映像のVRコンテンツをYouTubeとFacebookで配信して話題を集めた。
「a-nation 」ではVRスコープを11万個配布
そうした中、エイベックスは自社が展開する映像配信サービス「dTV」から、スマートフォンで360度パノラマの映像が楽しめるVR視聴専用アプリ「dTV VR」を7月29日にリリース。 今月27~28日に開催される夏フェス「a-nation」のライブステージを、今秋VRで配信することが決定している。それに先駆け、AAA(トリプルエー)やDa-iCE(ダイス)、lol(エルオーエル)など自社の人気アーティストのオリジナルVRコンテンツを続々と配信。 さらに、a-nation 当日にはオリジナルのVRスコープを来場者全員に配布(※約11万個を用意)するという。 エイベックスの担当者は、「2014年よりライブの生配信を実施しておりますが、アーティストのファンからもっと近くで見たいなどさまざまな意見を頂いておりました。dTVでは常に新しい映像体験を提供したいと考えている中で、dTVの強みである音楽を活用し、ライブやミュージックビデオをVRで提供するに至りました。提供後も、ファンの方を中心に、普段は味わえないアーティストとの至近距離や臨場感が楽しめるといった反応が多くあり、十分に手ごたえを感じております」と語る。 今後の展望については、「音楽コンテンツ以外にも、ホラーやガールズ向けのVR作品など、いくつか想定しています。アニメを手掛けている部署からアニメの世界に没入できるVR作品など、社内のいろんな部署からVRコンテンツの提案も頂いている中で、dTVだからこそできるVR作品を制作していきたいです」としている。