岡崎真氏 坂本花織はらしくないジャンプも経験値と女王のプライド
◇フィギュアスケート全日本選手権最終日(2024年12月22日 大阪・東和薬品ラクタブドーム) 【岡崎真の目】 坂本はGPファイナルから帰国後に少し体調を崩した影響があったのか、彼女らしくないジャンプがいくつか見られた。元々高さがあるので普通に降りて流れてきちんとGOE(出来栄え評価)でプラスを稼いでいるのだが、彼女本来の質の高いジャンプをそろえられなかった。それでも終わってみれば2位以下に大きく差をつけることができたのは、持ち前の経験値と女王のプライドがあったからだろう。来年3月の世界選手権では当然プレッシャーはあるだろうが、まだ期間はあるし、ここで一息入れて年明けからまた少しずつエンジンをかけ直していけば十分間に合うはずだ。 2位の島田は冒頭のトリプルアクセルと4回転トーループで得点を稼げなかったのが痛かった。シニアと比べるとやはりまだ演技構成点で差があるので、これからどう改善していくか。年齢制限の関係でまだ次の五輪には出られないので、モチベーションを保ちつつ更にその次の五輪に向けて頑張ってほしい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)