台湾産生鮮豚肉、15年ぶりにシンガポールに輸出 現地企業と覚書
(屏東中央社)シンガポールに輸出された台湾産の冷蔵豚肉第1陣32.6トンが9日、現地に到着した。農業部(農業省)によると、台湾産生鮮豚肉がシンガポールに輸出されるのは15年ぶり。台湾とシンガポール双方の企業が8日、農業部の立ち会いの下、南部・屏東県内で覚書を締結した。 台湾は2020年に口蹄疫(こうていえき)のワクチン非接種清浄地域に認定されて以降、国産生鮮豚肉の輸出に向けた取り組みを推進してきた。昨年11月にはシンガポール食品庁から台湾産豚肉の輸入が認められた。 覚書を結んだのは台湾の豚肉処理・加工企業、嘉一香食品とシンガポールの食肉加工企業、OJJ Foods。OJJ Foodsのウィルソン・リム(林恩祥)総経理(社長)によれば、両社は16年前にも手を組んだことがある。リム氏は、今後は冷蔵品、冷凍品を台湾から輸入し、主にシンガポールの高級レストランやスーパーマーケットなどに供給するとした。また、骨付き肉は台湾ではあまり人気がないものの、シンガポールでは名物グルメ「バクテー」(肉骨茶)の材料として需要があることから、互いの市場のニーズを補完することも期待される。 農業部によれば、昨年の台湾産生鮮豚肉の輸出量は前年比8倍に成長。同部はシンガポールの他、日本、マレーシア、ベトナムなどを重要市場に位置付け、今後も各国に対して輸入許可の申請を行っていく方針を示している。 (黄郁菁/編集:名切千絵)