社会に出ても、結婚しても、保険は必要ない…日本人が誤解している「必要な保険」と「いらない保険」の判断基準
世の中にはたくさんの保険がある。どれに入ればいいのだろうか。ファイナンシャルプランナーの清水香さんは「就職や結婚といったタイミングで保険加入を検討する人が多いが、ほとんどのケースで保険は必要ない。保険加入を検討する前に『入る必要があるのか』を考えてほしい」という――。 【図表をみる】“ヒト”のリスクに対応する公的制度と民間保険 ■年平均37万円、9割の世帯が生命保険に入っている 相談などの現場で、こんな話を耳にすることがあります。 「保険に入っていないんです。私……」。やっぱりダメですかねー、と尋ねる感じで。何らかの生命保険に加入する世帯は現在約9割ですから、未加入は、数字の上では少数派です。 では9割の多数派はどうなのか。加入のきっかけは「親が入ってた」「勧められた」「入るものでしょ」。他方で「保障内容? よく知らない」、「このままでよいのか?」といったケースも多数。 つまり多くの方は、理由なしに保険に入ったり入らなかったりしているのです。「保険はお守りだから」ともよく聞きます。であれば、それは危機管理策でなくある種の“ゆとり消費行動”であって、内容はどうあれ本人が納得ずくならそれでよし、という見方もできなくはない。 しかし、1世帯が支払う生命保険料の平均額は年37万円です。かつ数十年間にわたり支払いが続くとなれば、少し考えが変わるかもしれません。困ったときに「受け取れる」おトク感に目を奪われ、平時に「支払う」保険料の重さに思いが至らないのはよくあることです。 保険は、貯蓄とならび不測の事態での経済的ダメージに備える一手段です。しかし貯蓄とは異なり、死亡や入院、火災など特定の事態でしか役立ちません。入りすぎれば保険料が嵩み、安心どころか足元の家計を圧迫することもあります。「どの保険に入ればよいか」以前に、まず自分が「保険に入る必要があるのか」確認することが出発点です。 ■社会人になっても、結婚しても保険は必要がない「3つの理由」 この春、社会人になったとか、結婚前の共働きカップルなど人生の節目にいる人は、保険を勧められたり、「入ったほうがいいのか……」と考えたりする機会が増えているかもしれません。 ただ結論から申し上げると、この方々が生命保険などに入る必要性はあまりありません。今回、その「3つの理由」をくわしくお伝えします。