辺野古北側埋め立て、8月本格工事へ 軟弱地盤区域、防衛局が通知
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、防衛省沖縄防衛局は、辺野古北側の大浦湾での本格工事を8月1日から始めると県に通知した。軟弱地盤が広がる区域で本格的な埋め立てが始まるが、難工事が予想される。 辺野古では、埋め立て予定区域の4分の1にあたる南側はすでに陸地化。北側については、国が昨年末、地盤改良工事に必要な設計変更を県に代わって承認する「代執行」で着工が可能になり、今年1月から海上ヤード(資材置き場)を造る工事が始まっていた。 代執行による承認を受けて、国と県は、2013年に取り決めた「留意事項」に基づき、実施設計や環境保全対策について協議していた。県によると、県からの4回目の質問に対し、沖縄防衛局から今月18日、8月からの本格着工の方針を伝えられたという。 全体の埋め立てに必要な土砂は約2020万立方メートルとされ、今年3月までに使われたのは約16%。沖縄防衛局は今後、砂などを杭状に7万本以上打ち込んで軟弱地盤を固める工事などを行う。ただ、軟弱地盤は最深で海面下90メートルに及んでいる可能性が指摘され、前例のない工事となる。 沖縄では、16日の県議選で「辺野古反対」を主張する玉城デニー知事を支持する県政与党が大敗し、少数与党に転落した。(小野太郎)
朝日新聞社