「ざつ旅」作者石坂ケンタさん道の駅で販売会 長門峡など市のPRに貢献【山口】
月刊漫画雑誌「電撃マオウ」(KADOKAWA)で連載中の旅漫画「ざつ旅-That’s Journey-」の作者、石坂ケンタさんによるサイン入り単行本の販売会が、作中に登場する山口市阿東の道の駅「長門峡」で行われた。県外からファンが詰め掛け、開始3時間で用意した30冊が完売するなど、作品の人気ぶりがうかがえた。 同作は、主人公の新人漫画家、鈴ヶ森ちか名義のX(旧ツイッター)アカウントによるアンケートで旅先を決定する現実と作品の連動が最大の特徴。全国を行き当たりばったりに〝ざつな旅〟をする姿が魅力。ファンが作品と同じ場所を訪れ、漫画のコマと同じ構図で写真を撮るなど各地で〝聖地巡礼〟が楽しまれている。 山口編は単行本9巻に収録。JR新山口駅や市ゆかりの俳人、種田山頭火や其中庵、湯田温泉の足湯やばりそば店「春来館」と共に国指定名勝の峡谷「長門峡」が登場する。 来年のTVアニメ放送決定を記念し、石坂さんのサインとイラスト入りで9巻20冊、最新刊の11巻10冊を販売。販売日は、鈴ヶ森がXで長門峡の訪問を投稿した10月26日に合わせた。 開店30分前から愛知、熊本、広島県から訪れた5人が公式グッズのシャツを着て待機。購入後は同施設に設置された主人公パネルと共に記念撮影を楽しんでいた。 愛知県から訪れた50歳代の男性は、全国各地の作品に登場した場所を旅しており、山口は3度目。「何回も行きたいと思えるくらい山口を気に入っている。5月に長門峡は歩いていて、きれいだった。食感の変化と野菜が楽しめるばりそばもおいしい」と笑顔。神奈川県の男性も「漫画を旅先選びの参考にしている。初めて山口市に来たが、これから気ままに観光したい」と話した。 ざつ旅関連を担当する同施設のふるさと産品直売所「あとうの恵み」の寺内淳店長(52)は「県外からお客さんが来てありがたい。長門峡を周知するいいきっかけになった」と話した。