“苦手”がくれた教師の夢、吃音の高校生が接客「私は話すことが大好き」
将来の夢は「学校の先生」
「今、私は言葉を、そして話すことが大好きです」と笑顔で語った蒼唯さん。彼女が“話すこと”に対して挑戦し続ける理由、それは“将来の夢”が関係していた。蒼唯さんの将来の夢、それは「学校の先生」。教師を目指す理由について、蒼唯さんは「生徒で吃音で悩んでいる子がいたら“吃音の先生”って、一番信頼できる存在だと思う。生徒ひとりの人生を、いい方向に変えられるような先生になりたいです」と語った。 夢は「学校の先生」。音読の授業にトラウマを持つ蒼唯さんが次なる挑戦として選んだもの、それが“接客”だった。
今月4日、愛知県犬山市にて、1日限定のカフェ『注文に時間がかかるカフェ』がオープン。接客を行うのは、吃音がある高校生や大学生。17歳の蒼唯さんは“最年少スタッフ”として参加。カフェにエプロンを着用し、「お客さんに対して、自ら進んで声かけを頑張っていきたいです」と意気込んだ。 オープンすると、すぐに多くのお客さんが来店。『注文に時間がかかるカフェ』は、あっという間に満席になった。
“吃音”は自分にしかない個性
「僕自身が吃音障害を持っていて、10代の頃に悩んでいた。若い人たちがカフェに挑戦していると聞いて、僕も応援したいなと思って」と、お客さんにはスタッフと同じく吃音をいつ人も。なかには、「小中学生の頃、ひどい吃音だった」という70代男性のお客さんの姿も。 「僕のやってきたことをお話ししてあげて、役に立てないかなと」と来店理由を話した。吃音を理由に“普通の社会人になれない”と思い悩んだ男性。「学生時代、ノートに書いたものを今日持ってきた」と、必死に吃音について研究したノートを持参していた。
それぞれが思い思いの時間を過ごすなか、蒼唯さんと話している一人の少年がいた。竹内悠成くん、中学一年生。吃音があり、石川県から家族5人でやってきたという。「授業の(音読の)時、毎回自分の番が近づいてくるとめっちゃ緊張して、ちゃんと言えるかなと思う。あ行が言いにくいから、最初の文字があ行やったら絶望する」と蒼唯さんに話す悠成くん。