度会隆輝だけじゃない!DeNA・牧秀悟を刺激する若き後輩たち「度会だけじゃないっていうのは面白い」…単独インタビュー(中)
12球団最年少主将として4年目のシーズンに臨むDeNA・牧秀悟内野手(25)の単独インタビュー第2回では、3月29日の広島戦(横浜)で球団64年ぶり新人開幕弾を放ったドラフト1位・度会隆輝外野手(21)ら期待の若手について語った。3年目の梶原昂希外野手(24)の実力に太鼓判を押したほか、22年ドラ1の松尾汐恩捕手(19)には度会との新人王争いを望んだ。(取材・構成=内藤菜月、宮田和紀) ◆OP戦首位打者「明るすぎる…クセ強い…強心臓…」ドラ1 牧の4年目のシーズンがついに幕を開けた。自身の活躍はもちろんだが、優勝のためにはチーム力のアップが必要不可欠。きら星のごとく輝く新戦力から刺激を受けている。打率・434とルーキーで史上2人目となるオープン戦首位打者に輝いた度会の印象は特に強烈だ。 「1番であれだけ打てたらチームも勢いに乗りますよね。逆にシーズンに入って、どれだけ打つのかなって楽しみな選手でもある。ヒット数とかでずば抜けるんじゃないかな。(自身の1年目の成績を)もう超えるんじゃないですかね。いや、超えてほしくないですけどね(笑い)。超えてほしくない。でも超えられると思います」 キャンプから対外試合15試合連続安打もマーク。リードオフマンとしての活躍を頼もしく見つめる。 「どの投手に対しても、初めてのはずなのにしっかり自分のスイングで打って、どの球にも対応できていると思います。打ち続けるってなかなか難しいけど、それをずっとオープン戦でもやったっていうのはすごい」 度会は先輩にものおじせずに声をかけるなど明るさもマックス。牧とはまた違ったキャラクターだが…。 「陽気というか、なんて言うんだろうな…、難しいんですよキャラが。明る…明るすぎる。あの感じで一番打ってるって面白いですね。(クセが)強いっすね、だいぶ。それこそいろんな投手と対戦してる中でも(自分のスタイルが)崩れないというのは強み。本当にすごい。強心臓を持ってます」 牧が見てその才能に驚く選手がいる。外野のレギュラー争いに加わる1学年下の梶原の名前を挙げた。 「一番は梶原っすね。バッティング練習とか、本当にえげつないので。打って、守れて、なおかつ足も速くて長打力もある。もう誰にもないポテンシャル。ずっと試合に出続ければ、何か起こしてくれる選手だなってみてます」 シーズン通して活躍することの難しさは痛感しているが、チーム力アップには新戦力の活躍は必須。1学年後輩への期待は膨らむ。 「やっぱり1年間、外野で出続けること。他の外野手の方にもプレッシャーがかかりますし、より頑張らないといけないなというのを与えてくれる選手の一人だと思ってます。あのポテンシャルやったらどれぐらいですかね…。盗塁もできるし30発。長打力は魅力だと思うので、そこは期待したいですね」 22年のドラ1・松尾もキャンプから存在感を示している。昨季は2軍でサイクル安打も達成。圧倒的な打力で3人目の捕手として開幕1軍を迎えており、気になる存在だ。 「バッティングに関してはみんなが認めているので、すごくいいものを持っている。(山本)祐大や(伊藤)光さんとか、いろいろ聞いて、捕手として成長していってほしいです」 牧はルーキーイヤーに137試合に出場し、打率はリーグ3位の3割1分4厘で、22本塁打、71打点をマーク。サイクル安打を放つなど新人特別賞を受賞した。自身が逃した新人王をチーム内で争って獲得してくれることが理想だ。 「新人王に関しては、度会だけではなく他の選手もいる。松尾も1年間、出続ければ。楽しみな選手がいっぱいいるので、逆に度会だけじゃないっていうのは面白いかな。(若手が競い合って取ってくれれば)それはもちろん。間違いなくいいですね、チームの優勝に近づきます」 ◆牧 秀悟(まき・しゅうご)1998年4月21日、長野・中野市生まれ。25歳。松本第一では甲子園出場なし。中大で3年春に首位打者、秋はリーグ優勝に導きMVP。大学日本代表では4番。2020年ドラフト2位でDeNA入団。21年は新人史上初のサイクル安打を達成し、新人特別賞。昨季143試合で打率2割9分3厘、29本塁打、103打点。通算415試合で打率2割9分9厘、75本塁打、261打点。178センチ、97キロ。右投右打。年俸2億3000万円。既婚。 ◆度会 隆輝(わたらい・りゅうき)2002年10月4日、千葉県生まれ。21歳。下貝塚中では佐倉シニアに所属。3年時にジャイアンツカップで優勝し、侍ジャパンU―15代表に選出された。横浜では二塁手で18年夏、19年春の甲子園に出場。ENEOSでは主に外野を守り、22年都市対抗で橋戸賞(MVP)を獲得。3球団競合の末に23年ドラフト1位でDeNAに入団。183センチ、83キロ。右投左打。 ◆入団からの度会 ▽24年1月7日 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏から手渡された年賀状を持参し入寮 ▽同8日 新人合同自主トレスタート。2軍施設「DOCK」へ新人グッズ購入のため、早朝からファン300人が駆けつける“度会フィーバー”が巻き起こる ▽2月1日 初の沖縄キャンプスタート。打撃練習では初打席初スイングでサク越え。球団歌「熱き星たちよ」のレコーディングに新人選手で初参加 ▽同10日 紅白戦に「1番・右翼」で出場し3安打2打点と猛打デビュー ▽3月19日 2月18日のロッテ戦から続いていた対外試合連続安打を「15」まで伸ばした ◆松尾 汐恩(まつお・しおん)2004年7月6日、京都・精華町生まれ。19歳。川西小1年から精華アトムズで野球を始める。精華中では京田辺ボーイズでプレー。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。甲子園は2年春から4季連続出場。U―18W杯では捕手部門のオールワールドチーム(ベストナイン)。昨年9月6日のイースタン・リーグのヤクルト戦でサイクル安打を達成。178センチ、82キロ。右投右打。 ◆梶原 昂希(かじわら・こうき)1999年9月19日、大分市生まれ。24歳。大分雄城台では1年夏からベンチ入りし、甲子園出場はなし。神奈川大学リーグの神奈川大進学後は1年春のリーグ戦からベンチ入りし、1年秋に首位打者とベストナイン、4年春にベストナインを獲得。2021年ドラフト6位でDeNA入団。22年4月12日巨人戦(那覇)でセ・リーグ新人初となるデビュー戦4安打をマーク。189センチ、85キロ。右投左打。
報知新聞社