11年ぶりに全国の鈴木さん大集合 発祥地でルーツたどる 和歌山
全国で2番目に多い「鈴木」姓の発祥地とされる海南市で17日、全国の鈴木さんが集う「鈴木サミット」が開催された。ゆかりのある「鈴木屋敷」(同市藤白)が昨年3月に復元されたことがきっかけで、開催は11年ぶり。市内各地でイベントが開催され、参加者らが鈴木姓のルーツをたどった。【安西李姫】 【写真】鈴木姓のルーツ、和歌山・海南の鈴木屋敷復元 実行委員会や市によると、鈴木姓は、平安時代末期に紀伊半島南部の熊野地方から海南市藤白に移り住んだ「藤白鈴木氏」がルーツとされる。藤白鈴木氏が全国に熊野信仰を広める中で各地に住み着いたり、信仰する人が鈴木を名乗ったりして広がったという。現在は全国に176万人いるとされる。 藤白鈴木氏が代々住んでいたのが鈴木屋敷で、1942年に宗家が途絶えてから空き家となっていたが、全国からの寄付を受けて昨年3月に復元。市はこれを全国から観光客を呼び込むきっかけにしようと考え、サミットの開催に至った。 サミットの式典は海南保健福祉センターであり、約200人が参加。地元住民らが縁の深い県指定無形民俗文化財「藤白の獅子舞」を披露し、“ライバル”とされる佐藤姓の発祥地、栃木県佐野市から関係者も訪れ、交流を楽しんだ。人気お笑いコンビ「キャイ~ン」のウド鈴木さんからはビデオメッセージが寄せられ、「和歌山はパンダもすごいが鈴木がすごい」と紹介していた。 この他、道の駅「海南サクアス」では、魚のスズキを使った特別メニューのランチが登場。鈴木屋敷では鈴木さんの拝観料を無料、佐藤さんの拝観料を5万円とするユニークな企画もあった。 東京都日野市から参加した鈴木邦夫さん(76)は「ルーツをたどったら、熊野に行き着いた。全国の鈴木さんに会うとうれしく、皆さんを親戚のように思っている」と笑顔を見せた。