日本ハム・水谷瞬 北の大地で殻を破ったロマン砲/新天地1年目を終えて
期待以上の大活躍だった。現役ドラフトで加入した水谷瞬が、環境変化でチャンスをつかんだ。4月11日のソフトバンク戦(北九州)でプロ初出場し、昨季まで所属した古巣を相手にプロ初安打初打点。「プロに入るきっかけをもらって育ててもらった球団。九州で打てたのが一番うれしかった」と笑顔を見せたが、これもブレークの序章に過ぎなかった。 【選手データ】水谷瞬 プロフィール・通算成績 二軍再調整を経て5月に再昇格すると、一気に大ブレークした。ポテンシャルを爆発させたのが交流戦。初戦から15試合連続安打を放つなど、スタメン出場を続けて全18試合で64打数28安打、13打点をマーク。打率.438で首位打者に輝き、2015年の秋山翔吾(広島)が記録した.432を上回って交流戦史上最高打率を更新した。 6月2日のDeNA戦(エスコンF)ではプロ初本塁打もマークし、歓喜の「あつお~」パフォーマンスを披露。ソフトバンク時代にお世話になった「川村さんへ届ける思いでやりました」。20年に急逝した川村隆史さんは当時三軍のコンディショニング担当。「初ホームランを打ったら、それやなっていう話をしていた」と新天地で約束を果たした。 交流戦後も一軍に定着し、97試合出場で9本塁打、39打点、打率.287でシーズンを終えた。「ルーキーシーズンと同じような気持ちでやろうと思ってファイターズに来た。その気持ちを忘れずに持ち続けられたことが結果につながったと思う」。福岡から心機一転で北海道へやってきたロマン砲が、無我夢中で殻を破ったシーズンとなった。 写真=BBM
週刊ベースボール