<春はばたく>第93回センバツ注目選手紹介/9止 初勝利、島民に誓う 坂本安司投手(大崎・2年)
◇坂本安司(あんじ)投手(大崎・2年) 長崎県西部の離島・大島にある県立校を初の甲子園に導いたエース右腕はとにかくテンポが速い。持ち前の制球力と同学年のライバルから学んだ投球術で凡打を積み上げる。 初優勝を果たした昨秋の九州大会は、1回戦から3試合連続完投。準決勝は強豪の明豊(大分)を延長12回2失点に抑え、「自信になった」。 投球テンポを速くしたのは中学時代。2018年に中学生史上最速とされる150キロを計測した同学年右腕で、のちに高知に進む森木大智のフォームを研究。映像を見返す中で高速のテンポに目を奪われ、自身の武器にした。 最速139キロの直球を145キロにしようと、重さ5キロのダンベルを3本の指で持ち上げる。09年センバツで優勝した清峰(長崎)のエース右腕で、プロ野球・広島で活躍する今村猛を指導した清水監督のアドバイスだ。指先の力を鍛えることでリリースが強まり、変化球の切れ味が高まる狙いもある。 大崎の躍進は過疎が進む人口5000人弱の島に熱気を生んだ。「いつもかけてくれる応援の声がモチベーションになっている。勝って恩返しをしたい」。初の大舞台にも臆することなく勝利を誓う。【吉見裕都】=おわり