スタジアムに生きたトラ、大学アメフトの「伝統復活」非難の的に
(CNN) 米ルイジアナ州で行われた全米カレッジフットボール(アメリカンフットボール)の試合で、生きたトラを檻(おり)に入れてスタジアムで披露する伝統を約10年ぶりに復活させたルイジアナ州立大(LSU)が批判の的になっている。試合はLSUがアラバマ大に42―13で敗れた。 【画像】檻(おり)に入れられ移動するトラ ルイジアナ州バトンルージュのタイガー・スタジアムで9日に行われた試合。フロリダ州のミッチェル・カルマンソンさんが飼育するトラの「オマー・ブラッドリー」が、檻に入れられ黒いカーテンをかけられて試合開始前にスタジアムに登場した。スタジアムの照明が暗くなると、スポットを浴びて檻の中のトラが姿を現した。 伏せていたトラは立ち上がって檻の中を歩き回り、カメラマンが距離を保ちながら周囲を取り囲んだ。 檻に入れたトラをスタジアムで披露するのはLSUの長年の伝統だった。しかし2015年からは中止され、LSUの公式マスコットの生きたトラ「マイク7世」は、大学のキャンパス内の飼育舎にとどまっている。 これに対し、ルイジアナ州のジェフ・ランドリー知事が伝統の復活を要望。一方、大学の学内では反対運動が巻き起こり、2万7000を超す署名が集まった。 動物愛護団体も、ランドリー知事と、この日登場したトラの飼い主のカルマンソンさんを非難。「LSUがこの馬鹿げた古臭い慣習を10年近く前に終わらせたのは、敏感な大型猫をフットボール競技場の騒音、照明、観衆にさらすのは残酷だと認識したからだった」と指摘した。 獣医師でもあるルイジアナ州のラルフ・エイブラハム公衆衛生局長は「我々は話し合いを重ね、トラの安全を守るためにあらゆる措置を講じた」と強調している。