手取り30万円・40歳の新婚男性「思い悩んでいます」…老い先を思うと「不安は尽きない」と語るワケ
晩婚化が進み、「教育費」「老後資金」をセットで考えなければならない世帯が増加しています。本記事では、「日本人の生活のリアル」について、国税庁『令和5年分 民間給与実態統計調査』などとともに解説していきます。 【早見表】30年前と今を徹底比較。1993年と2023年の給与と物価
40歳男性の「あまりに辛い事情」
39歳のときに3つ下の女性と結婚した島田さん(40歳・男性/仮名)。同年一人娘が生まれましたが、日々の生活に強い不安を覚えていると語ります。月の収入は手取りで30万円程度。貯金は夫婦合わせて500万円です。 「今後の教育費や妻と僕の老後資金について考えると、惨憺(さんたん)たる思いがします。娘が20歳になるとき、僕は定年間際じゃないですか。大学在学中の独り立ちもできていない子どもを抱えて、大丈夫なのかと。もちろん嘱託社員か何かで働き続けるつもりではいますが、老い先を思うと、暗い気持ちになります」 国税庁『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、1年を通じて勤務した給与所得者は5,076万人で、平均給与は469万円。正規社員530万円、非正規社員202万円となっています。島田さんの手取り30万円は、年収だと450万円ほどの計算ですからほぼ平均といえます。 今年で40歳の島田さん、今まで貯金はしてこなかったのでしょうか。意外な事情を明かしました。
「まさかこの年になって」明かされた親との金銭問題
「親が飲食店経営で失敗したんです。2年ぐらい居酒屋を営んでいましたが、最後のほうは赤字が続き、僕がかなり資金援助をしていました。初期費用も多少支援していたので、トータルで支払った額は400万円を超えているかと思います。……正直、30代に入ったときには、結婚を諦めていました。趣味も物欲も特にないし、若いころ両親には散々迷惑をかけたので、恩返しの気持ちもありました」 「本当に、生涯独身のつもりでいたんです。まさかこの年になって、結婚して、子どもまでできるとは思っていなかった。もちろん幸せですが、自分のお金をもっと計画的に蓄えていればと後悔しています。親には『お金を返してほしい』なんて言えないし、というか、もう何も残ってないでしょうし」 厚生労働省『2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況』によると、全世帯では、「貯蓄がある」は82.4%で、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,368万3,000円となっています。高齢者世帯では、「貯蓄がある」は80.7%で、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,603万9,000円という結果です。 もちろん上記は平均値であり、細かい内訳を見るとまた違った様相が露わになります。