箱根駅伝 シード獲得 福島県勢快走
3日に神奈川県箱根町から東京・大手町までの5区間109・6キロで行われた第101回東京箱根間往復大学駅伝の復路で、10位以内に入れば次回の予選会参加を免除されるシード権争いは終盤までもつれた。総合8位の東京国際大、9位の東洋大に在籍している福島県の学法石川高出身の2選手はともに初の箱根出場。9、10区の勝負どころで堂々とした走りを見せた。 ■菅野裕二郎(東京国際大9区、学法石川高出身) けが乗り越え区間3位 初出場で東京国際大の9区を担った郡山市出身の菅野裕二郎(3年、学法石川高出身)は1時間9分1秒の区間3位で、チームのシード権獲得に貢献した。「楽しい23・1キロだった」と笑顔を見せた。 10位集団とは53秒差の12位でたすきを受けた。「シード圏内に入る」と序盤から攻めの走りを展開し、最初の1キロは2分39秒と飛ばした。単独走が続いたが、順調にリズムを刻み、終盤までペースを落とさなかった。中継所手前で1人を抜き、10位から21秒差まで詰めてたすきをつないだ。「前が確実に見える位置で渡せて良かった。悪くない走りだった」と満足げな表情を浮かべた。
前回の大会は予選会で14位に終わり、本戦出場を逃した。雪辱を期した昨年10月の予選会ではチーム内で4番目の全体44位と好走。だが、レース中に左足を痛めて3週間走れなかった。12月上旬から練習を再開し、必死の調整で状態を上げて本番に臨んだ。 次回は2区で勝負したいと目標を掲げる。「さらに強くなって、エースに成長してチームを引っ張っていきたい」と向上心を見せた。 ■薄根大河(東洋大10区、学法石川高出身) 4校の争い重責果たす 東洋大10区で栃木県出身の薄根大河(2年、学法石川高出身)は4校による8位争いで2番目にフィニッシュし、チームの20年連続シード権獲得に貢献した。「ずっと恐怖心があった。最後に力を絞り出せた」と胸をなで下ろした。 8位でたすきを受け、追ってきた帝京大、順大、東京国際大と集団を形成。細かいペースの変化に体力が削られ、自ら仕掛ける余裕はなかった。重圧のかかる場面、手袋に書き入れた「4年生の為(ため)に」の文字を見た。大会前のけがで2区を外れ、直前まで付き添ってくれた梅崎蓮主将(4年)らの顔を思い浮かべた。
ラスト1キロで東京国際大が抜け出す。「行くしかない」と懸命に追った。出迎えた仲間の元へ飛び込んだ。シード落ちの11位までは9秒差。酒井俊幸監督(石川町出身)に「怖かったな、よく頑張ったよ」とねぎらわれ、目を潤ませた。 今回が初陣だった。今季は5月に関東学生対校選手権ハーフマラソンで4位になるなど成長した。上級生となる来季へ「東洋の定位置と言われた3位以内や優勝を目指す」と意気込んだ。