ショッピングアシストアプリ「PLUG」のSTRACT、10.3億円を資金調達 年間GMVは100億円超に
ショッピングアシストアプリ「PLUG」(プラグ)を提供するSTRACTは11月20日、Headline Asiaをリードインベスターとして、Coral Capital、デライト・ベンチャーズを引受先とする第3者割当増資により10.3億円の資金調達を実施した。調達した資金は、サービス成長に向けた研究開発、計算機資源への投資、組織体制強化のための採用、利用者拡大を目指すマーケティングに活用し、さらなる価値提供の拡大を目指す。 【写真5点】「PLUG」の成長性や投資家など STRACTは、提携する1100以上のECサイトで利用できるキャッシュバックやクーポン、ベストプライスを自動で発見・通知するショッピングアシストアプリ「PLUG」を運営。ユーザーは、アプリをインストールして拡張機能を入れるだけで、お得にオンラインショッピングができる。ユーザーの購買や行動データに基づき、オファーをパーソナライズしてLTV(顧客生涯価値)の最大化を図り、ユーザーとEC事業者双方に価値を提供している。 「PLUG」のダウンロード数は、2022年3月の正式リリースから2024年10月末までに130万を突破し、利用者レビュースコアは4.6以上を維持。流通取引総額(GMV)も8四半期連続で過去最高を更新し、FY2024 1QからFY2025 1Qにかけて308%の大幅な成長を遂げている。 このほど、シリーズA 1st CloseラウンドHeadline Asiaをリードインベスターとして、Coral Capital、デライト・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、10.3億円のシリーズA 1st Closeラウンドの資金調達を実施した。 今回の調達資金は、大規模データによるパーソナライズ強化に向けた「検索エンジン」および「推薦エンジン」を用いたインタフェースの研究開発・計算機資源への投資、事業開発の強化とそれに伴う組織体制強化のための人材採用、利用者の拡大を図るためのマーケティング、およびアライアンスの強化に充て、さらなる価値提供の拡大を図る。 2023年のインターネット広告市場は、前年比2418億円増の3兆3330億円に達し、過去5年間で1.89倍に成長し、今後も市場拡大が続くと見られている。さらに2024年には、国内のBtoC EC市場規模が24.8兆円を超えると予測されている。 一方で、日本のEC化率は10%未満にとどまっており、ECサイトが増加する中で消費者が最適なサイトや購入タイミングを選ぶことは、ますます難しくなっているとし、「PLUG」は、ユーザー側のインタフェースを革新し、世の中すべてのECを束ね、さまざまなフリクションをなくすことで、誰もが簡単かつ迅速に、経済的で安心・納得のいくパーソナライズされた最適なディールを選べる仕組みの実現を目指す考えを示した。 今回の資金調達について、STRACT 代表取締役社長 伊藤輝氏は、「ユーザーの皆様、投資家の方々、そしてチームのメンバー全員に心より感謝申し上げます。私は幼少期からソフトウェアエンジニアリングやアプリ開発に取り組み、大学ではインターフェースの研究を続けてきました。その中で、『PLUG』はこれまで手がけてきた事業の中でも特に成長性が高く、ユーザーや市場に対して大きなインパクトを与える可能性を秘めたサービスだと実感しています。今回の資金調達において、Headline AsiaとCoral Capitalからはシードラウンドに引き続きフォローオン投資をいただきました。皆様からの信頼と期待に応えられるよう、チーム一丸となってさらなる努力を重ねていく所存です」と話す。 「『PLUG』は、AmazonなどのECサイト群をアグリゲーションするポジションであり、それぞれのサービスや体験を最適化することで、ユーザーの選択肢を広げる役割を果たしています。私たちの使命は、独自の経済圏を構築することではなく、ユーザーとサービス事業者の間に立ち、最適な選択をサポートすることにあります。さらに、『PLUG』の対象領域は物販等のECにとどまらず、金融や不動産など、インターネット上で取引されるあらゆる分野へと拡大していきたいと考えています。情報格差をなくし、誰もが簡単にベストな選択ができる世界を目指して、各サービス提供者の進化を人々が待つのではなく、『PLUG』が間に入ることで、すべての購買体験をユーザー側から最適化していきます。今回の資金調達は、STRACTが目指す長期的な目標への第1歩にすぎません。引き続き皆様のご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます」と述べた。