「できることを精一杯…」ウクライナで仲間失ったバレエダンサー岩崎安里さん ”日常の尊さ”伝える公演
今戦禍の真っただ中にあるウクライナで、バレエダンサーとして活躍した富山市出身の女性がいます。今回、ふるさとの富山で初めて自主公演を行いました。公演に込めた思いを取材しました。 【写真を見る】「できることを精一杯…」ウクライナで仲間失ったバレエダンサー岩崎安里さん ”日常の尊さ”伝える公演 ダイナミックで、華やか。クラシック・バレエ作品の傑作「ドン・キホーテ」を華麗に舞うのは、ウクライナの名門バレエ団に所属していた富山市出身のバレエダンサー岩崎安里さん(28)です。 岩崎安里さん 「命っていつ本当に終わるのか分からないんだなって思いました。明日が来るっていうのは当たり前じゃなくて…」 公演の前日11月15日、岩崎さんを訪ねると―― 岩崎安里さん 「夜ごはんなんだけど、スタッフ用の(お弁当)。午後9時まで(公演準備が)あるので」 東京を拠点に舞台出演やバレエの講師を務めている岩崎さん。今回ふるさと富山で初の自主公演を開きます。 岩崎さんがバレエを始めたのは6歳から。夢はプロのバレエダンサー。 子どもの頃からバレエ漬けの日々を過ごし、高校を卒業後、夢を叶えるためスイスに留学しました。 2018年からはウクライナの名門「国立キーウ・バレエ団」に所属、ソリストを務めるなど3年半にわたり活躍しました。 岩崎安里さん 「(ウクライナでは)文化の根付き方が全然違いましたね。映画を見に行くみたいな。デートでバレエを見に行こみたいな。おしゃんな感じで」 記者 「Q.あっちでバレエ団でお金を稼いで生活を」 岩崎安里さん 「そうです。ウクライナだと公務員なんです。国からお金をもらって仕事をしていました」 ■「明日が来ることは当たり前じゃない」 今回富山で公演を開くきっかけとなったのが、ウクライナで経験したコロナ禍です。 新型コロナの影響で公演が出来なくなり、岩崎さんは2021年に日本へ帰国しました。 その後、ウクライナではロシアが軍事侵攻を開始。戦争が始まり岩崎さんが暮らした街も戦場に。 岩崎安里さん 「戦争って、私も日本にいたらすごい遠い国の話で、あまり感覚が湧かなかったと思うけど、住んでいた場所に(ミサイルが)飛んできていて、穴が開いていていたりと。その映像を目の当たりにすると危機感みたいなのに迫られて、私がもし(ウクライナに)いたらどうしていたんだろうみたいな」
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