「できることを精一杯…」ウクライナで仲間失ったバレエダンサー岩崎安里さん ”日常の尊さ”伝える公演
当たり前の日常も見慣れた景色も戦争によって次々と奪われていきました。 岩崎安里さん 「本当に私のウクライナ人の友達が窓とかないところ、お風呂の中に実際に布団とか敷いてそこで寝泊りしている。みんなお風呂の中に避難するんだけど、その様子とか動画とか送られてきて、いまこんな感じだよみたいな。もう、なんか怖くて」 さらに、岩崎さんに戦争は他人事ではないと感じさせたのは舞台をともにした仲間、アレクサンドル・シャパヴァルさんです。 岩崎安里さん 「(シャパヴァルさんは)すごく自国愛の強い方で戦争に行ったんですよね、自ら。そこ(戦争)で亡くなっちゃって。一緒にやっていた人がいなくなったっていうのこともそうなんだけど、明日がくることは当たり前じゃないっていう感覚がすごい強くて」 この思いを舞台で伝えたい。岩崎さんが今回、富山で公演を開いたもう一つの理由があります。 岩崎安里さん 「私の幼少期をずっと支えてくれていたおばあちゃんで、ダンスの送り迎えとか夜ご飯とか作ってくれて、ずっとおばあちゃん家で過ごしていたんですけど。私が海外に行ってから学んできた踊りを結局見せられないまま亡くなっちゃって、それが一番大きな後悔として残っていて」 ■「Life is_.」につけた思い 公演当日、家族や友人など大勢の人たちが岩崎さんの舞台に駆け付けました。 岩崎さんが公演につけたタイトルは「Life is_.」(あなたの人生は――)。 ”Life is”に続く言葉をそれぞれ心に思い描きながら見てほしいという意味を込めました。 公演では岩崎さんの思いに共感したダンサー仲間たちが、それぞれの”Life is”を表現しました。 岩崎さんはウクライナの惨状や祖母との別れから感じた「日常の尊さ」や「今を生きることの大切さ」を公演に込めました。 客 「僕はライフイズビューティフルにしました。いいことも悪いことも美しいと思えるかとか、魅力的だと感じられるかどうかで自分の人生の良しあしが決まると思ったので」 「(Qライフイズのあとは)出会いですかね。結構いろんな出会いがあって今の自分があるので」 「ファイアー。その人なりの命の燃やし方というか、人それぞれの命の輝かせ方みたいなのが、これ(公演)を見て、そういう感じかなと」
今自分にできることは何か、岩崎さんは考えながら踊り続けていきます。 岩崎安里さん 「今この瞬間を大事にするって言うことを一番伝えたかったんですけど、みなさんすごく集中して舞台を見てくださっていて、涙ぐんでいる方もいらっしゃって、何か届いているんだなって舞台上からも拝見できてすごくうれしい気持ちでした。自分ができることを精一杯しながら進んでいけたらなと思っています。私ができることを全力でやらせていただけたらなと思っています」
チューリップテレビ
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