「病院に行くほどではない体の不調」を甘く見てはいけない…医者が病気にならないために毎朝やっている習慣
■「負荷が億劫」と感じたら不調の兆し 私は電車の乗り換えのときは、とにかくエスカレーターとエレベーターは使わないと決めています。これだけでも運動量が増やせますし、それ以上に自分の体調のバロメーターとして役立っています。 すんなり階段に足が向かう日と、エスカレーターの誘惑に負けそうになる日があり、それが自分の心模様を知るきっかけにもなっています。 気持ちが前向きじゃないと、階段を上るのすら大きな決断になってしまう日があるんですよね。階段を上っていても、足取りが軽くて一段飛ばしで上れる日もあれば、途中で足が止まりそうなくらい体が重く感じる日もあります。 そういうときは、何が自分にとって疲れやストレスになっているのだろう、とか、不調を招く原因はどこにあるのだろうと自問するようにして、改善への一歩を踏み出すことにしています。 よく、一日8000歩歩こう、1万歩歩こうと言われますが、私はその考え方にはあまり賛成できません。 一日に歩く歩数を決めるとそれをストレスに感じてしまうし、達成できない日が続くと、なし崩し的に歩くことをやめてしまうかもしれない。そうなるくらいなら、大きすぎる目標は掲げずに、生活の中で歩数を増やしていくことを習慣にできたほうが、長い目で見たときにいいんじゃないでしょうか。 もちろん、目標とする歩数を達成することが毎日のモチベーションになっているのなら、それをやめる必要はありません。自分がこれならストレス少なく続けられるというほどほどの負荷ですむ習慣を選択していきましょう。 ---------- 小林 弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授 1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。 ----------
順天堂大学医学部教授 小林 弘幸