「ぐるナイ」ゴチ 新メンバー選考は8月から!「ピーク一歩手前の人」 4日に30周年、飽きさせない秘けつとは?
日本テレビ系の看板バラエティー番組「ぐるぐるナインティナイン」(木曜、後8・00)が4日の放送で30周年を迎える。放送開始から四半世紀以上。時代が変わり、視聴者の趣向も移りゆく中で、名物企画「グルメチキンレース・ゴチになります!」を中心に、今もなお絶大な支持を集めている。飽きさせない秘けつや変わらないこと-。2016年から同番組の総合演出を担当している三浦伸介氏に聞いた。 【写真】若い! 2010年、「ゴチ」に出演した矢部浩之(左)と岡村隆史 年末は「ゴチ」のクビの行方がSNSを中心に盛り上がる。「ぐるナイ」の中核で看板企画。今なお高い支持を受け続ける理由を「やっぱりガチンコだからじゃないかなと思います。今でも『うそじゃないか』と疑っている方もいますが、ガチンコなので」と話す三浦氏は、一方で切実なる願いがあるという。 「ホントに(ナイナイの)お二人にはクビになってほしくないんですよね。食材ロケが大変なんですよ。収録以外で地方に行くことになっちゃったりするので。本人にも言ってますが、お願いだからクビにならないでくれ。仕事と予算が増えてしまうというね」 メインMCの2人だからといって忖度は一切ない。昨年は矢部浩之が5度目のクビになり、コーナーを外れた。「恐怖だと思いますよ」と2人の心中を推し量り「特に岡村(隆史)さんは最後の方はだいぶ真剣にやってますね。ただ、矢部さんは秋口にあきらめちゃったかもしれないですね。『もうオレ、ダメかもな』と毎週のように言っていたので」と舞台裏を明かした。 ゴチ企画開始以降「おみやルーレット」など新たなルールを導入するなど鮮度を保ちながら、新メンバーの人選は綿密に計算する。次年度の人選は8月あたりから始めるという。「誰と誰がクビになったら、こういう組み合わせがいいかな、とかいう感じで」。候補に挙がるのは6、7人。ポイントは「これからピークを迎えようとする人、一歩手前の人」。この人選が、視聴者を引きつける“肝”になるという。 番組開始から30年。いやが応でも時代は移り変わる。その時勢に合わせ「時代的に古い、昔の話はなるべくカットしますかね」と明かす。「他の番組ではあんまりないだろうなっていうのは、やっているスタッフが『俺も知らない』っていう要素が多い」。出演者に対しても同様で「ゴチでこれからくる人を入れていることが大きい。『若い人が好きなんだろうなあ、俺全然分からないんだけど』って思いながらおじさんたちが演出しているのが、ひとついいところなのかな」とした。 放送した企画は「ゴチ」以外にも数知れず。「1回で終わるような企画はやらないように」と言うが、実際に1回で終わった企画も「ありますよ、たくさん」。21年に大きな風船で頭を覆いサバイバルゲームをする「バルーンファイト!」を放送したが「風船が大きすぎて動けないっていう。(ナイナイの)2人もやってみたらだいぶ顔色悪くて」と2度目はなかった。一方、2度目の放送を迎えた「料理時間ハンデマッチ」は企画が出た当初、2人が“笑い”の部分などで懸念を示していたというが「話し合いを重ねて行き着いた。またやりたい」と手応え。そんな挑戦を許容する空気感の中で、30年の時を刻んできた。 他の企画で挑戦ができるのも、安定した看板企画があるからこそで「『ゴチ』の対になる企画がいけそうだ、ダメだの繰り返し」と、新企画への試行錯誤は続いていく。その中で、確固たる番組のアイデンティティーがある。「変えたくないことはお笑い番組だということ。昔のスタイル、ロケスタイルのお笑い番組はほとんど存在しないと思うので、情報に寄せてっていうのをできるだけ抑えて、笑いを中心にして考えていきたい」。矜持を胸に、さらに骨太な番組に仕立てていく。