自慢のヒップラインで魅せたラストステージ コンテスト3位入賞の喜びとともに流した涙の理由
ボディコンテストを通して得られるものは、何も美しいボディラインや称号だけではない。共に切磋琢磨し合える環境、他の選手や指導者たちとの絆は、人生においてかけがえのない宝物だ。 【写真】本谷留弥さん自慢のお尻のライン
本谷留弥(もとたに・るみ/35)さんにとって、5月12日(日)は特別な日だった。この日は、岡山県倉敷市でベストボディ・ジャパン主催の『モデルジャパン2024岡山大会』が開催された日。初出場で緊張する選手もいれば、2024年の初戦を飾る選手など、みんなそれぞれの思いを胸に秘めてステージに立つ。 キュートな表情と指先まで意識されたポージングを披露し、見事3位に入賞した本谷さん。表彰式を終えたロビーには涙ぐむ彼女の姿が。その涙の理由にある物語を尋ねてみた。 「2022年に選手デビューして、初めてのステージがこの岡山大会だったんです。今年の7月に夫の転勤でアメリカのシカゴへ行くことが決まり、今日の岡山大会が私にとっての集大成でした。これでラストなのか……という寂しさと、ベストボディを通して出会えた人たちへの感謝で、涙腺が崩壊してしまって」 ご主人の仕事で外国での生活も多い本谷さん。日本に帰国後、「心機一転、何かを始めたい」と思い、トレーニングを開始した。トレーニングをするなら目標を持ちたい、と初心者でも出やすいベストボディの大会に出ることを決意。自重トレーニングやマシントレーニングを組み合わせて作ったお尻のラインは、本谷さんの自慢の部位だ。 「私が私らしくいられて、自信を持つためのボディメイク」を軸に、1年目、2年目……と理想のボディラインを求め、隙間時間を活用してトレーニングを重ねてきた。大会に出るたびに増える人との繋がり。難しいポージング練習も、メンタルがやられそうになる減量期間も「みんなも頑張っているから、私も頑張ろう!」と気持ちを奮い立たせた。 ステージ上ではライバルでもあるが、尊敬できる仲間たち。地方大会ゆえに地元の人たちが多く出場し、仲間意識が強いのだという。大会前になると、それぞれが掲げる目標を互いに応援し合う関係性なのだ。そんな仲間たちに支えられて、本谷さんはラストステージの日を迎えた。
大会終了後に流していたのは悔し涙ではなく、溢れて出た周りへの感謝の気持ち。もちろん、「理想通りの結果ではなかった」そうなので、悔しい気持ちが全くないわけではないだろう。それでも本谷さんは晴れやかな声でこう話してくれた。 「しなやかな曲線美を意識した今回のステージは、今までの中で一番納得のいくステージングでした。全力で勝負した結果なので、清々しい気持ちでいっぱいです! 大人になってから素敵な世界を見せてくれたベストボディにも、国境を越えてもつながっていられる仲間たちに心から感謝です!」
取材:小笠拡子