オリーブオイル VS バター、比較してヘルシーなのは…意外な結果とその理由|管理栄養士が解説
料理やお菓子を作る際に欠かせない油脂類。オリーブ油やサラダ油などの液体の油や、バターやマーガリンなどの固形の脂など、さまざまな種類がありますよね。それぞれどのような特徴があるのでしょうか? 【写真】オリーブオイルとバター、ヘルシーなのはどっち? ■そもそも油脂類の特徴とは? 油=太るというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?確かに炭水化物やたんぱく質は1gあたり4kcalなのに比べて、脂質は1gあたり9kcal。カロリーは2倍以上あります。ただし、脂質は身体にとってなくてはならない存在です。 例えば、人間の細胞は全て細胞膜に覆われています。その細胞膜を作るのはリン脂質やコレステロールなどの脂質。また生殖や栄養素の代謝に必須な女性ホルモンや副腎皮質ホルモン、脂質やビタミンの消化吸収に働く胆汁酸も、コレステロールなどの脂質がないと作られないと言われています。 ■オリーブ油とバターのそれぞれの特徴とは? 油と一言で言っても、たくさんの種類があります。今回は常温で液体のオリーブ油と、常温で固体のバターを代表として、それぞれの違いを見ていきましょう。 オリーブ油 原料をオリーブとする植物性の油脂。フレッシュな風味でイタリア料理やスペイン料理には欠かせない油ですよね。オリーブ油はオレイン酸という一価不飽和脂肪酸を多く含んでいることが特徴。オレイン酸は酸化しにくく、コレステロールの上昇を抑える効果が期待されています。 またオリーブ油をはじめとした液体状の油は、水分を含まず脂質100%の為、カロリーが高いのが特徴です。ただし、中性脂肪や悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化の一因と言われている飽和脂肪酸は固形の油に比べて少なめ。その他、抗酸化作用の高いビタミンEも含んでいます。 <オリーブ油> 100gあたり894kcal 大さじ1(14g)125kcal バター 原料を牛乳とする動物性の油脂。風味豊かで料理やお菓子にコクと旨味をプラスしてくれます。バターは脂質が80%程度で、水分も含んでいる為、カロリーはオリーブ油の8割程度。液体の油の方がヘルシーというイメージを持っていた方は意外なのではないでしょうか? また乳化されている為、液体の油よりも消化されやすいと言われています。その為、胃腸が弱っている時は、液体の油ではなくバターのような乳化された油脂を使うのがおすすめです。 その他、ビタミンAを含んでいるのも特徴。バターの黄色はビタミンAのカロテンの色と言われています。 ただし、飽和脂肪酸やコレステロールは多く含まれているので、摂りすぎには注意しましょう。 <有塩バター> 100gあたり700kcal 1切れ(10g)70kcal <参考元> 日本食品標準成分(八訂) 雪印メグミルク 気になるコレステロールやカロリーの量、おいしく効果的な食べ方を知ろう ライター/和田梓(管理栄養士)
和田 梓