貯金ゼロで首位奪回した阪神・和田監督が掲げる「辛抱野球」
確かにどのチームもウイークポイントばかりが目立つ。 巨人は、阿部、亀井、村田ら主軸の不調が深刻だし、横浜DeNAも中継ぎの不安を解消できていない。 広島にしてもマエケン、ジョンソン、黒田に福井、新人・薮田と先発の駒がそろいはじめ、打線も上昇気配だが、大瀬良、中崎のゲームを締める部分は、まだ心配だ。 ヤクルトが、唯一打線の好調さと、秋吉、ロマン、オンドルセク、バーネットの中継ぎ、抑えの布陣が充実しているが、先発に柱らしい柱がない。小川も今季はまだ打たれる。 阪神のウイークポイントは、第一につながらない打線、そして先発の5、6番手に、中継ぎ陣と、開幕からハッキリとしている。ここにきて3番に入って覚醒した福留が芯になっていることで、打線は、そこそこ点を取れるようになってきたが、中継ぎの6、7回が弱いし、絶対的エースであるオ・スンファンでゲームを落としたのも痛い。 元千葉ロッテの里崎智也氏も「投げれば、必ず勝てるという絶対エースが、中日の大野と広島のマエケンくらいしかいない。しかも、6人の先発がそろったチームがどこにもない。打線は水物だから、勝ちを計算して貯金を作っていくのは、ピッチャーなんですよ。パ・リーグのソフトバンクのように打線と、投手陣のバランスのとれているチームはセ・リーグには見当たらないことが、抜け出すチームが出ていない要因でしょう」と分析している。 長所の勢いで短所を見えなくするのか、それとも、根気強く、弱点の克服、チームバランスの整備を心がけるのか。各チームの指導者は、混セだからこそ、そのマネジメント能力を問われる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)