能登で民間ボランティア奮闘 専門性、経験生かし支援
能登半島地震では、発生直後から専門性を持った民間のボランティアや災害支援団体が奮闘を続けている。道路損壊や断水などインフラ被害が甚大で、発生当初からしばらくの間は個人ボランティアは控えるよう呼びかけられていた中、人手を経験で補ってきた。 「こんなにひどいのか」。重機を使った災害支援の団体「日本笑顔プロジェクト」(長野県小布施町)副代表の春原圭太さん(35)は、能登半島の奥へ進む道中、至る所で住宅が崩れている光景に言葉を失った。 大型車に重機を積んで3日朝に長野を出発、悪路が続き渋滞が激しく、石川県珠洲市への到着は4日の昼だった。「補給ができる金沢市まで戻ると支援の時間が確保できない」ため、車中泊を決断。陸上自衛隊や警察と連携し、孤立集落への道路を開通させたり、倒壊家屋での捜索活動をサポートしたりした。 持参したカップ麺や非常食を食べながら、携帯電話の電波が不安定な最前線で3日間、作業は未明まで及んだ。「がれきを重機でどかしてほしいという住民の要望は多い。ただ、倒れかけで危険な家屋が多く、作業は慎重を極めた」と春原さん。同団体は人員を交代しながら当面被災地で活動する予定だ。