作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解 算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由
「フランス革命の結果、ナポレオンが皇帝になった」 どうでしょうか? みなさんはこの文に違和感を持つでしょうか? 持たないでしょうか? ■「=」の関係性を意識できるか まず、どちらの文も、「完全な間違い」とは言い難いです。1582年に本能寺の変が起こったのは事実ですし、その後、豊臣秀吉が天下を取ったのも事実です。フランス革命後、ナポレオンが台頭し、そして皇帝になったのも事実です。 でも、これらの文章に違和感を覚えた人も多いと思います。きっとその人は、「=」の関係性を理解している人なのではないかと思います。
算数や数学は「=」を積み重ねて答えを出していくという科目です。 30×4+12 =120+12 =132 と、最初の式と同値な内容で変形させて、答えに近付けていきます。逆に言えば、「=」で結べない内容に関しては、違う式で整理します。「=」とは、同じ値の整理だからです。 このように、同じ値を整理していくことを繰り返すのが数学的思考の特徴です。 では、その視点で先程の文章を読んでみましょう。 「本能寺の変が起こった」=「豊臣秀吉が天下を取る」でしょうか? 違いますよね。「本能寺の変が起こった」ことで、「明智光秀が織田信長を討った」。そして、「明智光秀を、豊臣秀吉が討った」ことで、「豊臣秀吉が次の天下人になった」んですよね。
それを、「本能寺の変が起こった」=「豊臣秀吉が天下を取る」としてしまっているわけです、これでは文として説明不十分と言わざるを得ません。 「フランス革命」=「ナポレオンが皇帝になった」わけではなく、「フランス革命の結果発生した諸外国との戦争で活躍したナポレオンが、その後、皇帝になった」という話です。それを、「=」で結ぶのは実態と大きくズレているのです。 文章を作るとき、あるいは物事を思考するとき、前後のつながりをしっかりと理解できていることが大切です。「AだからB、BだからC」という思考を繰り返して、「つまり、AだからC」というように頭の中を整理していくわけです。