【解説】政治資金規正法改正案 強気の野党側、成立に向け“落とし所”は?
■各党が強気…譲らない「ワケ」
鈴江キャスター 「維新も譲らない、強気の姿勢を示しているのはなぜでしょうか?」 平本キャップ 「維新の幹部は譲れない理由について『自民党と一緒と思われたら選挙で負けてしまうからだ』と話しています。実は、各党はいま、次の衆院選を意識して、自民党に協力すれば『裏金問題での逆風を一緒に食らってしまう』という危機感があり、そう簡単に協力できないのが実情といえそうです」
桐谷美玲キャスター 「このままの状態で、法案の成立までもっていけるのでしょうか?」 平本キャップ 「岸田首相自身は、政治資金規正法をいまの国会で成立させると何度も何度も強調しています。ですので、成立しなければ自民党内部からも『岸田政権は終わりだ』と、退陣を余儀なくされるのでは、という見方もあります」 「是が非でも成立させなければいけないわけですが、いま自民党を取材していますと、やはり最後は公明党が賛成してくれるのでは、という期待感があります」 平本キャップ 「ただ、自民党幹部からは『反対すれば連立政権は終わりだ』とけん制する声がある一方で、公明党内にはやはり『自民党と同じ穴のムジナとは思われたくない』と、この政治資金の問題で引けている姿勢と思われたくない、だから簡単に妥協できないんだという声は根強いです。自民党が公明党の協力を最後、引き出せるかが今後のポイントになりそうです」 鈴江キャスター 「どこの党も選挙を意識して、見え方をいろいろと意識した思惑が透けて見えてきたのですが、この裏金事件が二度と起きないような法改正になってもらいたいものです」
平本キャップ 「その通りです。野党は22日も『自民党案は、抜け穴を小さくするから残しておいて、という案だ』と指摘していました」 「一番大事なのは、裏金事件の再発防止につながる抜本的な改革案になるか、です。岸田首相には裏金問題を引き起こした自民党のトップとしてリーダーシップを発揮し、これだったら再発防止になる、抜け穴はなくなるという改革案をまとめる責任が問われています」