スペイン国王から「文民功労勲章」 長崎県美術館へ国内初
スペイン美術の調査研究に取り組む県美術館(長崎市出島町)は、両国の美術分野での文化的なつながりを促進したとして、スペイン国王から国内の美術館で初となる「文民功労勲章」を授与された。20日、同館で叙勲伝達式があった。 同館は、第2次世界大戦時に外交官の須磨彌吉郎(1892~1970年)が収集した「須磨コレクション」を核に、東洋有数のスペイン美術コレクションを所蔵。これまで中世の作品から現代アートまで、多彩な展覧会や講演会などを企画し、その魅力を広く発信してきた。 式ではフィデル・センダゴルタ駐日スペイン大使が同館の取り組みについて「両国間の絆が強化され、文化交流などが促進された。日本社会のスペイン文化に対する意識を高めた」とあいさつし「名誉の盾」を授与。小坂智子館長は「栄誉ある受章は、両国の友好を願う県民全てに与えられたもの。交流が一層深まるよう努力する」と謝辞を述べた。式には大石賢吾知事ら約30人が参加した。 同館は同日、開館20周年と被爆80年となる来年、戦争をテーマにした企画展を開くと発表。スペイン国立プラド美術館が所蔵するゴヤの油彩画「死した七面鳥」などを展示する。会期は7月19日~9月7日。