【毎日書評】「かくれ繊細さん」が必要以上に仕事で疲れてしまう2つのパターン
いまの日本では、疲れていない人なんていないのではないか──。『かくれ繊細さんのめんどくさい疲れを手放す本』(時田ひさ子 著、清流出版)の著者はそう指摘しています。 たしかに労働環境や人間関係、お金の不安など、ストレスにつながる要因はいくらでも思いつくことができます。しかも、それらを乗り越えながら日々を送っていたとしても、達成感はなく、疲れだけがたまっていくかもしれません。 なお、そうした疲れを抱える人のなかには、「好奇心が強いにもかかわらず怖がりである」「没頭しやすいけれど長続きしない」というような相反する性格特性を持つ方が多いのだそうです。そして、もし心当たりがあるのであれば、「かくれ繊細さん」(HSS型HSP、あるいはHSE)の可能性があるのだとか。 これは、アメリカの心理学者のエレイン・アーロン博士の発見した概念「HSP:Highly Sensitive Person」(生まれつき感受性が強く敏感な気質をもった人)から知られるようになりました。 この「HSP」の中でも「かくれ繊細さん」とは、共感能力が高く繊細で傷つきやすい側面(HPS)を、外向性、社交性、積極性、好奇心旺盛さという別の側面(HSS:High Sensation Seeking、またはHSE:Highly Sensitive Extrovert=外向的なHSPという意味。HSS型HSPとほぼ重複しています。 エレイン・アーロン博士2018年ブログ“Introversion, Extroversion and the Highly Sensitive Person”)により表面化しないようカバーしている人たちです。(「はじめに」より) HSS型HSPを表すために、「アクセルとブレーキを同時に踏みながら生きている」という表現がよく用いられるそう。つまり両方を同時に踏んでいるせいで余計な力を使いすぎてしまい、疲れやすいというわけです。 そこで本書において著者は、疲れを手放し、疲れに悩まされることなく生きていくための術を明らかにしているのです。きょうは第4章「仕事に疲れる」のなかから、2つのポイントを抜き出してみたいと思います。