「球体肩」のメンズフィジーク絶対王者が身長別の日本大会で4連覇達成 10.6「真の日本一」大一番でも勝利を誓う
「絶対王者」と呼ばれる存在は、試合のたびに常勝の重圧との闘いを強いられる。そこで養われたメンタルは、その選手にとっての大きな武器となり、絶対王者の強さをより揺るぎなきものとする。 【写真】伊吹主税選手の「球体」のように丸い肩 9月29日、岡山で開催されたボディコンテストの全国大会、『オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス2024』。メンズフィジーク176cm以下級で4連覇を達成し、同競技における連勝記録を更新したのが伊吹主税(いぶき・ちから/33)選手である。
「昨年は世界選手権に出場したいという気持ちが強すぎて、オールジャパンは絶対に落とせないというプレッシャーがありました。今年は、もちろんチャンピオンとしての緊張感を持ちながら、自分が楽しむことを最優先にしました」 日本代表としてIFBB世界男子選手権に派遣されるには、オールジャパンでの優勝が必須条件となる。しかし、今年は世界情勢を鑑みて、イランで開催される世界男子選手権への日本代表団の派遣が中止に。出場への道が断たれたことで、逆に肩からほどよく力が抜けた状態でオールジャパンには臨めたという。 「だから、今年はオールジャパンを楽しんで、そのあとのグラチャンにつなげたいと思っていました。(今回の優勝は)そこに向けて弾みをつけるための、いいステップになりました」 伊吹選手のいう「グラチャン」とは、10月6日に大阪で開催されるビッグマッチ「グランドチャンピオンシップス2024」を指す。これは、メンズフィジーク、ビキニフィットネス、ボディフィットネスの各階級のトップ選手が争う真の日本一決定戦。これまでに伊吹選手はグラチャンを2連覇。ディフェンディング王者として3連覇に挑む。 その背中を猛スピードで追っているのが、オールジャパン180cm以下級覇者の穴見一佐選手である。この「伊吹対穴見」の対決は、今シーズンのメンズフィジークのハイライトの一つ。迫りくる穴見選手の存在は、王者の目にどう映っているのか。 「正直なところ、負ける気がしません。グラチャンでは絶対王者としての誇りを見せられると思います」 国内戦最大の大一番まで待ったなし。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している
取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介