「バルサは欧州の大馬鹿者」の見出しをつけた番記者にシャビが憤慨。掲載紙編集長が綴る“打たれ弱い”指揮官への反論「怒りや敗北に対処する能力がない」【現地発コラム】
シャビは記者が太鼓持ちであってはならないことを理解していない
それほどまでにシャビの苦悩は深いのだろう。チームのプレーに胸を張ることができる日にさえ、誰かに借りを返すことなくサッカーについて語ることができなかった。ましてやラモン・ベサは、スペイン、カタルーニャのスポーツジャーナリズムの重鎮である。ピッチ内外を問わずバルサを巡る現実を語らせれば、随一のスペシャリストだ。 そんな周囲から尊敬を集める人物にシャビは啖呵を切った。彼は、記者が太鼓持ちではない、あるいは太鼓持ちであってはならないことを理解していない。我々は、ピッチ内外で起こっていることを解釈し、読者に簡潔・明瞭に伝えるために存在する。 番記者であっても、取材の対象であるチームよりも、遂行する職業に、個人的な人間関係よりも所属する新聞社に、その責務を負っている。 批判と不当はイコールではないのだ。その批判に苦しむから、不当と感じるのだ。そして、それはどちら側にも言えることだ。 文●ナディア・トロンチョーニ(エル・パイス紙スポーツ部編集長) 翻訳●下村正幸 ※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。