「ハイネケン」が生んだ“世界一退屈なスマホ”とは?その楽しみ方と日本版アプリをレポ
オランダのビールブランド「ハイネケン」が、2024年4月にストリートカルチャーと現代ファッションを繋ぐブランド「BODEGA」(ボデガ)とコラボした「The Boring Phone(退屈な携帯)」を発表。その名のとおり、スマホのおもしろさを意図的に減らした“退屈さ”が魅力なのだとか。 【写真】「The Boring Phone」は手のひらに収まるサイズ そして11月には、そのアプリ版となる「The Boring Mode」を日本に展開した。これがアジアで初めての提供となる。 今回は「The Boring Phone」を実際に体験し、使い方や楽しみ方をレポートする。 ■「The Boring Phone」で“スマホ中毒”を解消? いまやスマートフォンは持っていて当たり前の存在になっており、移動時などひとりのときはもちろん、誰かといるときでもスマホを常にチェックしている人も少なくない。 実際、ハイネケン・ジャパンがスマートフォンを利用する20代~50代を対象に行った調査では、回答者の80%が「友人や家族と一緒の時間を過ごしているときに、ついつい習慣的にスマホをチェックしてしまう」と回答。20代に絞ると、その割合は90%を超えていた。 一方で、「出来ればスマホの利用時間を今より減らして、スマホ中毒状態を抜け出したい」と考えている人も41%いるようだ。 だが、「スマホ中毒になっている自覚はあってもやめられない」という人が大半なのではないだろうか。そんな人にうってつけなのが、「The Boring Phone」だという。 ■さっそく「The Boring Phone」を使ってみた まず目を引くのが、スケルトンなデザインに「ハイネケン」を連想させるグリーンの文字盤。表のディスプレイには、「ハイネケン」の瓶ビールをクロスしている画像が、携帯を開くと大勢がビールで乾杯している様子が映し出される。細かなところにビールブランドらしいこだわりを感じる。 大きさは手のひらに収まるサイズで、iPhoneと比較すると、かなり小ぶりなのがわかる。 使える機能は、カメラ、電話、メール、SMS、ミニゲームと、いたってシンプルで必要最低限の機能が備わっているという印象だ。SIMカードを入れ替えれば海外での電話・メール機能も使用可能。 ちなみに、カメラも画質もガラケーそのもの。トレンドのレトロ風な写真が簡単に撮影でき、平成初期にタイムスリップしたような感覚で楽しい。 ■アプリ版「The Boring Mode」も登場! 「とはいえ、日本では『The Boring Phone』が手に入らない」と肩を落としている人に朗報だ。2024年10月に「The Boring Phone」と同じ機能を手軽に楽しめる、「The Boring Mode」という完全無料のアプリが、日本でサービスを開始している。 スマホのおもしろさを意図的に減らすことで、人と直接交流することの大切さ、リアルが充実することの楽しさをあらためて実感してもらうためにこのアプリを開発したそう。忘年会や新年会など、集まりが増えるこの時期に試してみたいアプリだ。 アプリを開くと、スマホがガラケー風に一変!「The Boring Phone」を彷彿とさせるレトロなデザインになっている。 使用方法はとてもシンプルで、アプリの指示に従い「The Boring Mode」をオンにするだけ。通知が来るとつい気になってしまうSNSやゲームアプリの通知をブロックできるため、その場の会話に集中できる。 ■「The Boring Mode」を食事会で試してみた 「本当にデジタルデトックスできるのか?」と気になり、実際に食事の場で使用してみた。まずはおいしそうなご飯を「The Boring Mode」のカメラ機能を使って撮影。 そして、通知をブロックしたSNSアプリを開こうとすると、スマホを閉じるよう促す、ポジティブなメッセージが!制限されている感覚がなく、ストレスを感じない。 今回、食事会に「The Boring Mode」を取り入れたことで、参加した友人全員の会話量が普段よりも多く、会話が途切れることがなかった。また、「友人間ではもちろん、会話がなくなりがちな家族間での食事にも使用してみたい」と話す友人もいた。 スマホ中毒脱却も、数時間限定、かつゲーム感覚で取り組めば、意外と苦ではないことが今回の食事会でわかった。スマホ中毒の自覚がある人や、誰かといるときもついスマホを触ってしまう人は、「The Boring Mode」を試してみてほしい。