壇蜜や佐野史郎をはじめ、スペシャルでの出演者も再登場!内藤剛志主演ドラマ「今野敏サスペンス 警視庁強行犯係・樋口顕」
沢口靖子主演のドラマ「科捜研の女 season24」に出演。一匹狼的な刑事、土門薫を演じている内藤剛志。そんな内藤が鋭い推理で部下にも信頼されている刑事を演じ、スペシャルドラマとして15年以上オンエアされた後、2021年に連ドラ化されたのが「今野敏サスペンス 警視庁強行犯係・樋口顕」だ。 【写真を見る】落ち着いた警部・樋口顕を演じる内藤剛志 内藤が演じているのは捜査一課強行犯係の警部・樋口顕。人気シリーズとして長い間、支持されてきた理由のひとつは昭和世代のベテラン刑事にも拘らず、樋口の描かれ方がいわゆる家庭を顧みず、上司に逆らっても事件に挑んでいくような熱血アウトロータイプではなかったからなのかもしれない。シーズン1では第4話「海風」で、樋口とはある意味対照的で圧が強く、強引な捜査をする神奈川県警の刑事・梶山(大友康平)が出演。おそらく同世代として描かれながら全くタイプの違う刑事を演じた内藤と大友の演技のコントラストも面白く、「警視庁・捜査一課長」のスペシャル版で2019年に共演した壇蜜も第3話「円卓」で樋口から取り調べを受ける容疑者役として出演している。もちろん、樋口の親友であり、少年事件課の氏家(佐野史郎)や頼もしい上司、天童(榎木孝明)、東洋新聞の記者、遠藤(矢田亜希子)、樋口の妻、恵子(川上麻衣子)、ひとり娘の照美(逢沢りな)などレギュラー陣も登場。連続殺人事件など、様々な難事件を樋口がその観察眼と被害者の心を開かせる器の大きさで解決していく。内藤の人間性が滲む演技に注目したい。 ■壇蜜演じるセレブ奥様が登場の回では樋口が妻が働く子ども食堂に 強盗犯を捕まえ、英雄扱いされ、記者会見を受けることになっても、あくまで謙虚。家に帰ると新聞を見た照美(逢沢)に「お父さんのコメントってどれも優等生っぽいよね」と突っ込まれている樋口。シーズン1は照美が遠藤(矢田)に憧れ、ネットメディアの記者になっている設定だ。そんなかわいい娘が誘拐事件に巻き込まれる展開もありつつ、第3話では妻(川上)がボランティアとして働いている"子ども食堂"にエリート社員の奥様にも拘らず、子ども3人を連れて毎週、やってくる林(壇蜜)が出演。夫が海外に単身赴任しているのをいいことに不倫していると噂されていた林は喫茶店のオーナーが店内で殺害されたことで容疑者となる。妻に「単身赴任といえども子ども食堂にお世話になっていることに違和感がある」と伝えると「その感覚は古い」と言われ、渋々、納得するところも微笑ましく、子ども食堂を実際に訪ねて、子どもたちとカレーを一緒に食べるほのぼのシーンも登場する。それぞれ切ない想いを抱えている容疑者たちの心中を察するような内藤の演技、世の中から事件がなくならないことを憂いながらも「それでも私は刑事です」と決め台詞を言う場面も見逃せない。 ■樋口と氏家の友情がフィーチャリングされた回も 樋口と氏家が居酒屋で語り合うのはおなじみのシーンだが、第5話は土手から転がり落ちて死亡した男について、痴漢行為をしてきたので突き飛ばしたと自白するピン芸人の及川茜(丸山礼)が容疑者。少年事件課の氏家が少女時代から面倒を見てきたのが茜だったこともあり、樋口は協力を依頼し、取り調べ中に茜が氏家と再会した時の表情は親を見るようだったと指摘する。樋口の申し出を任せると断るものの、茜が働いていた職場で氏家が聞き込みをしていることを知って樋口は「全く素直じゃないんだから」と嬉しそうな笑顔。性格は違うが、二人の温かさと厳しさが根底にあるからこそ、事件が紐解かれていく回も味わい深い。ちなみに内藤はふだんから相手の立場に立つことを心がけているとレギュラーのラジオ番組でも発言。芸能人の自身を特別視しない謙虚な姿勢で日常を過ごしているからこそ、懐の深い刑事が演じられるのだろう。 文=山本弘子
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