「2ヵ月で髪が生えてきた」薄毛治療に革命をもたらす「最新育毛マシン」の驚きの正体
手に抜け毛がびっしり
岩手県に住む佐々木啓介さん(72歳・仮名)は60歳代後半から急激に進行した薄毛に悩まされていた。全体的に薄くなり、毛が細くなっている気がする。手で髪をすくと、数本が手にくっつく。頭頂部の地肌が目立って、鏡を見るとなんだか自信を失っていくような気持ちになる。 2ヵ月でここまで変わる!驚愕のビフォーアフター 毎晩風呂上がりに、洗面所でヘアオイルを使って髪を入念にケアしているのだが、手が抜け毛だらけになる。ある日試しに何本の髪の毛が抜けているのかを数えてみると、実に50本超が抜け落ちていた。 これまで、男性型脱毛症は男性ホルモンの過剰分泌によって髪の毛が生えにくくなることが原因とされてきた。また、円形脱毛症はストレスによって局所的に血管が収縮し、毛が抜けてしまうことが原因の一つとされる。たしかにそうした面もあるが、より重要なのは、「血流の悪化が薄毛を引き起こしている」ということだ。 実は毛の一本一本には毛細血管がつながっており、血管が途切れたり、圧迫されたりして血行障害が起きると、毛根に栄養が送られなくなって、毛が抜け落ちてしまう。 これに着目し、「非接触超音波による弱い刺激で毛を生やす」というメカニズムを発見したのが、日本医科大学形成外科・抗加齢予防医学講座教授の高田弘弥氏だ。
みるみる毛が生えてきた
もともとは、発毛ではなく、ケガの治療に関する研究からはじまった。高田氏が解説する。 「私は、傷口が開いた体表の傷をいかに速く治すかという研究をしています。そのなかで、非接触超音波による弱い刺激を与えると、通常よりも早い速度で皮膚が治癒することがわかったのです。 マウスの背中に傷をつけて実験をしていたのですが、超音波による微弱な刺激を与えていたマウスの体表を見ると、血管の再生が早かった。そのぶん栄養と酸素が多く体組織に送られるようになり、傷の治癒が早まったのです」 実験で使われた超音波は4万Hzの高周波。この超音波を当てながら、1秒間に10回オンとオフを切り替えることで、軽く指で触れる程度の弱い刺激を連続的に出すことができる。 なぜこのような微弱な圧力が血管の再生を早めるのかは、まだ研究途上で完全には解明されていない。しかし、高田氏は研究を続けていく中であることに気が付いた。超音波を当てたマウスは傷の治りが早いだけでなく、発毛が活発になっていたのだ。 「マウスに一定の傷をつけるのは技量も必要で、管理も大変です。しかし、毛の場合はマウスの背中の毛を剃るだけでいいので、マウスへの負担も少なく、実験がしやすかった。そのため発毛効果に絞った研究も進めました」