トワイライトエクスプレス瑞風 JR西敷地初搬入にファンら注目
JR西日本の敷地内へ初搬入に注目
トワイライトエクスプレス瑞風 JR西敷地初搬入にファンら注目 THEPAGE大阪
JR西日本は30日、現在製造中の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の「吹田総合車両所」(大阪府吹田市)への搬入を公開した。同社の敷地内に初めて同車両が入るとあって、関係者はもちろん、搬入までの沿線に多くの鉄道ファンが詰めかけるなど、様々な期待を背負っての初搬入となった。
神戸から搬入。沿線には多くの鉄道ファン
同日午後5時前に予定より少し遅れて、瑞風の2号車、9号車の車両が搬入されてきた。いずれも主にツインルームなどが備えられたものだという。 製造工場のある兵庫県・神戸から東海道本線を使って運ばれる車両をひと目見ようと、沿線の各駅にはカメラを手にした鉄道ファンが駆けつけていた。 JR吹田駅のホームでも、カメラを手にした人が今か今かと車両の到着を待っており「どんなのが撮れるかなぁ」「神戸のほうでこんなん撮ってきた」といったやり取りを続けていた。
「TWILIGHT EXPRESS MIZUKAZE」の文字が
一方、搬入先である吹田市の同車両所では、同社関係者が到着を静かに待つ。報道関係者も多く訪れカメラを構え待っていたが、予定より約15分ほどの遅れで搬入開始。踏み切りの音が鳴り響く中、ゆっくりと車両所へ入ってきた。 まだ、ラッピングされた状態のため、デザインなどは隠されたままだが「TWILIGHT EXPRESS MIZUKAZE」といった文字が付けられている。 後に車庫に搬入され、報道関係者にも間近で車両が公開される。同社関係者からは「くれぐれも車体に触れないようお願いします」と何度もアナウンスがされる。ラッピングが施されているものの、車両下の部分にも鉄道関係誌のライターらは熱い注目を注ぐ。 この様子を取材していた鉄道ライターの伊原薫さんは「床下の機器も興味がありました。例えば乗り心地を良くするため、縦揺れをコンピュータで検知するサスペンションなど、前のトワイライトエクスプレスにはないものあるので楽しみです」などと語った。
傷の保護のためのラッピング、いま提供してはもったいない
同車両を前に、瑞風の製造計画を担当する同社車両部担当部長の今村洋一さんは「正直大変だなぁと思います。まだ中も完成しているわけではなくて」と笑顔で答える。 報道陣からの「熱い注目を浴びて引き取った気持ちは?」との問いには「これから一つひとつ組み立てていかなければいけないので、その熱い期待にこたえられる良い車両にしなければいけないと思ってまして、責任感を痛感している」と強い意気込みを見せた。 また「ラッピングの中身はどんな感じ?」との質問には「乞うご期待ということでお願いしたいんですけど」と苦笑。「車体を営業投入するまでに傷つけない窓も含めて傷つけないことを目的としております。いろいろ走行試験もしますので、その際に傷がついては元も子もないので傷の保護のためのラッピングと思ってください。中身を見せてしまうとせっかくの瑞風の楽しさおもしろさを今提供してしまってはもったいないなぁと思っておりますのでしばらくお待ちください」と笑顔で続けた。 今後は1年ほどかけ車両を搬入していき、主に内装インテリアの取り付け工事を行き、2017年春の運行を目指す。