連覇の青学大・佐々木主将「これに満足することなく、自分の打撃と向き合う」秋に神宮で4冠狙う/大学野球選手権
全日本大学野球選手権最終日(16日、青学大2-1早大、決勝、神宮)決勝が行われ、青学大(東都)が早大(東京六大学)に2-1で競り勝ち、2年連続6度目の優勝を果たした。2連覇は2010、11年の東洋大以来で、青学大は初。1点を追う五回に1番・藤原夏暉内野手(3年)の適時打で逆転し、2番手のヴァデルナ・フェルガス投手(3年)ら救援陣が踏ん張った。今秋のドラフト候補に挙がる青学大・佐々木泰(たい)主将(4年)が4試合で打率・333(15打数5安打)、2本塁打、8打点をマークし、最高殊勲選手賞(MVP)に輝いた。 【写真】青学大OB井口資仁氏、全日本大学選手権優勝の母校を祝福「素晴らしい戦いだった」 主将がバットで背中でチームを引っ張った。青学大が早大との接戦を制し、2010、11年の東洋大(東都)以来の2連覇を達成。大学初の連覇が決まると、佐々木主将は笑顔で歓喜の輪に加わった。 「もう一回、日本一というのを目指してやってきたのですごくうれしい」 悪送球などのミスが重なり、四回に1点を先制される苦しい展開も五回に8番中田、1番藤原の適時打で逆転。同点の2死三塁、中前へ決勝打を放った藤原は「とにかく球に食らいつくだけだった」と胸を張った。 5番佐々木はこの日、3打数無安打に終わったが、今大会4試合で打率・333、2本塁打、8打点と打線を牽引(けんいん)。MVPを獲得し「これに満足することなく、自分の打撃と向き合っていきたい」と目線を鋭くした。 基本に立ち戻った。春季東都リーグ戦では、同じくプロ注目の西川がリーグ3位の打率・318をマークする中、佐々木は打率・178(45打数8安打)と低迷。リーグ戦後は、打撃練習前に好調時のスイングをイメージしながら約200回の素振りを行い、本来の打撃を取り戻した。 主将として「下級生が上級生に対して気を使わない」ような雰囲気を作ることを意識した。昨年の日本一に貢献し、ともにD1位でプロ入りした常広(現広島)、下村(現阪神)が抜けた穴をチーム力で埋め「そこ(チームの良い雰囲気)が強さにつながっている」とうなずいた。 去年は春、秋のリーグ戦、全日本を制しながら、秋の明治神宮大会決勝で慶大に0-2で敗れた。「また一からスタートして、秋に向けてレベルアップした強い青学を作っていきたい」と佐々木。4冠を目指し、一回りも二回りも大きくなった姿で秋の神宮に戻ってくる。(加藤次郎)