動き出す石破政権の地方創生
地方経済活性化にインバウンド需要の積極活用も
難しいのは、実際にどのようにして地方経済を活性化し、地方にビジネスを生み出し、地方の魅力を高めることで若者や女性、あるいは企業を地方に呼び入れるかだ。農林水産品や食品のブランド創設や海外展開だけでは、そこまでの影響力を発揮するのは容易ではないだろう。 その経済規模が年間8兆円を上回る、まさにトップの成長分野であるインバウンド需要を、地方経済の活性化に最大限活用することも検討して欲しいところだ(NRIジャーナル「東京一極集中の是正と成長戦略の大結集」、2024年11月08日)。 さらに、地域経済の活性化に際しては、各地域に見合った特色のある産業振興策を各地方自治体が知恵を絞って打ち出すことを期待する一方、インバウンド需要の地方誘導などでは、国が強いリーダーシップを発揮することが必要となるだろう。地方創生の成功の鍵の一つは、国と地方の役割分担を新たに明確にしたうえで、それに基づき双方が強く連携をしていくことだ。 (参考資料) 「賃金や働き方改革 デジタル環境整備 地方創生の理念骨子案」、2024年12月20日、東奥日報 「賃金格差是正など柱に 地方創生 「基本的な考え方」原案」、2024年12月19日、読売新聞 「働き方改革やデジタル技術を活用―地方創生の長期的な理念、骨子案」、2024年12月19日、共同通信ニュース 「地方創生「東京一極集中の弊害是正」 政府考え方骨子案」、2024年12月18日、日本経済新聞電子版 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi)に掲載されたものです。
木内 登英