完成度の高さが一段上! ヘビーに使える理想の工具箱「スーパーボックス SR-450」の魅力
樹脂製の工具箱は、軽くて音も小さめ、多少ぶつけても傷付けないといった点で優れています。また、価格も抑えられているので、複数揃えるのにも適しています。樹脂製の工具箱で特にオススメなのが、リングスターの「スーパーボックスシリーズ」です。 【もっと写真を見る】
工具が増えてくると悩むのが、工具のしまい方。整理して、据え置きの引き出しや棚に入れておくのが理想ですが、毎回使うたびに取り出し、使い終わったらしまうというのは結構面倒です。とくによく使う工具は「どうせまた使うし」と考え、出しっぱなしにしがち。そして次に使う時、どこに置いたかわからなくなるというのはよくある話でしょう。自分で書いておきながら、耳が痛いですが。 こういった、よく使う工具をまとめておくのに便利なのが、工具箱。とくに取っ手付きの物であれば移動が簡単で、仕事で工具を使う人はもちろん、趣味のDIYでも準備がスムーズに行えます。作業場に工具一式を持って行けるので、途中で取りに戻らずに済みます。 また、用途別に工具をまとめておくのもオススメ。木工、機械、塗装、車やバイク整備、といったように分類しておけば、作業内容に合わせ、工具を簡単に選べるようになります。 工具箱でオススメしたいのが樹脂製 昔から工具箱といえば、スチール製で2段式両開きのモノ、という印象があります。丈夫で長持ちするのは確かですが、スチールの工具箱は結構重たいうえ、中身が動くとガシャガシャうるさい、ぶつけると凹む、ぶつけた対象を傷つけやすい、といったデメリットもあります。 その点、樹脂製の工具箱であれば、軽くて音も小さめ、多少ぶつけても傷付けないといった点で優れています。また、価格も抑えられているので、複数揃えるのにも適しています。 そんな樹脂製の工具箱でオススメなのが、リングスターの「スーパーボックスシリーズ」です。 最近では、100円ショップで売っている1000円くらいの工具箱でもかなり品質が上がっていますし、安くて大きいものが欲しければ、ホームセンターのオリジナル製品などを選ぶのもいいでしょう。 しかし、実際に比べてみるとわかりますが、リングスターのスーパーボックスの方が歪みが少なく、頑丈。早い話が、そもそもの作りが違い、完成度の高さがもう一段上なのです。 ということで、中でも一番選ばれているという450mm幅の「SR-450」(実売価格3260円)を借りて使ってみました。 ていねいな作りで使いやすさを向上 工具箱としては、特殊な機能を備えているというわけではありません。機能面で考えれば、他社の廉価製品と比べてもそこまで差はないでしょう。 とはいえ、細かな部分のこだわりに気づくと、だいぶ印象が変わります。 フタを開けてると、まず見えるのが中皿。これは取り外しが可能な小物入れで、取っ手をもって外せば工具箱の底面まで見えてきます。 これといった特徴がないように見えますが、よく見ると、側面には強度を上げるリブが2つずつ、そして前後にはボンネット状のふくらみがあることが分かります。これにより、横からの力に耐えられる堅牢性が確保されているのでしょう。内寸は、リブなどを含めず約402×181mmとなっています。 撮影用に中に入れたのは、手元にあった全長約380mmのクイックバークランプ。横幅が約210mmあるので入らないと思ってたのですが、少し斜めになる位置までずらせればピッタリ収まってくれました。意外と入りますね。 中皿には長い仕切り板が4枚、短い仕切り板が2枚用意されています。これをうまく使うことで、小さな部品や工具などがぐちゃぐちゃにならず、中皿に分類しておけます。 この"仕切り板を自由に組み合わせられる"というのはよくある機能ですが、作りがちょっと特殊。まず長い方の仕切り板ですが、端に裏表位置をずらして膨らみがあります。 この膨らみがスリットにギュッと挟まり、仕切り板が簡単に外れないようになっているわけです。 短い仕切り板にも中心部分に2つの突起があります。こちらもこれで滑り止めにしてるのかなと思いきや、違いました。よく見ると、長い仕切り板のスリットにも突起が1つあり、これを挟むことで短い仕切り板が簡単に抜けてしまわないようになっています。 こんな小さな突起だと、あっても意味なさそうだなと思ってたのですが、何となく仕切り板をもって持ち上げてみると、そのまま中皿が持ち上がったんですよね。 もちろん、中皿に工具を入れて重たくすれば抜けてしまいます。とはいえ、ちょっと触れたり引っ掛けただけで仕切りが外れてしまい、すぐに中身がぐちゃぐちゃになる、といったことはないでしょう。 もうひとつ感心したのは、底面の足の作り。横から見ると緩やかにカーブしており、不思議だなと思っていたのですが、これ、天面の形に合わせてありました。そうです、工具箱を複数段重ねられる形でした。 「頑丈だ」とか「作りが違う」っていうけど、どういうこと? いくつか便利な工夫があるとはいえ、あったらいいなという程度。これを理由にスーパーボックスを選ぶかといえばちょっと微妙なラインでしょう。 一番重視したいポイントとなるのは、やはり工具箱としての実用性の高さです。つまり、ヘビーに使える頑丈さがあるかどうかです。この頑丈さについてはかなりのコダワリがあるようで、部位によって樹脂の種類が使い分けられています。 本体やフタ、中皿などは自動車のバンパーと同じポリプロピレン製。ぶつけても割れにくい耐久力、温度差や化学薬品に強い対候性の高さが特徴です。また、ある程度の弾性があるので、ぶつけてもショックをやわらげ、凹んだり傷付けたりしづらいというのもメリットでしょう。 このポリプロピレンを厚めに使用し、さらに多数のリブを入れることで、重量を増やさず、頑丈になるよう設計されています。ちなみに、このリブのほとんどが見えない場所に作られているので、外観からはわかりません。 本体とフタとのヒンジ部分は幅が広めで、金属棒の軸で組み合わされているという手堅い作り。かなり頑丈に作られているので、重たい工具を入れても歪みにくく、フタの開け閉めがしづらくなる、といったこともありません。 ちなみに、ホームセンターオリジナルの安めの工具箱はどうかというと横棒まで樹脂製のはめ込み式で、耐久性とガタが気になる作りになっていました。 スーパーボックスのハンドルは、衝撃や曲げ、引っ張りなどに強いABS樹脂。持ち運ぶ際は工具箱の重量がここに集中するだけに、曲がりに強い樹脂が選ばれています。指がかかる部分は丸みがあり、角が指に食い込んで痛い、といったことはありません。 バックルの素材は、ポリカーボネート。強靭で割れにくく、衝撃に強いうえに対候性もあるという素材です。傷付きやすさや薬品への耐性が弱めというのはありますが、落とした衝撃で割れ飛んで中身をぶちまけてしまう、というのを防ぐには最適な素材です。 バックルは単体販売があり、もし割れてしまっても自分で交換できるようになっています。 本体全体に言えることですが、バリや角の尖りがほとんどなく、指で触れても痛くないというのもいい部分でしょう。もちろん多少はありますけど、廉価な製品と比べれば明らかに違います。 用途に合ったサイズを選んで複数使いこなしたい 「樹脂でできた箱なんだし、そんな変わらないでしょ?」という意見もあると思いますが、まずは騙されたと思ってホームセンターへ行き、実物を見比べてみてください。なるほど違いはここか、というのが実感できると思います。 なお、頑丈で重たい工具も入れられるので、大きなサイズを選んでしまいがちですが、よほどの力持ちでなければ持ち運びが大変になります。用途に合わせ、ほどほどのサイズを複数用意して、使い分けるというのがオススメです。 ちなみに、リングスターの製品はほかにも気に入ってるものがあります。それは次回、紹介しますね。 ●お気に入りポイント● ・頑丈で細部まで作りがいい ・豊富なサイズ展開 ・実はカラバリもある この記事を書いた人──宮里圭介 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。 文● 宮里圭介 編集●こーのス