【重量挙げ】愛称タンク村上 最重量級の村上英士朗、憧れ力道山に「メダルを取って報告」
日本ウエイトリフティング協会は6日、パリオリンピック(五輪)の内定選手会見を開き、重量挙げ男子102キロ超級の村上英士朗(28=いちご)らが登壇した。 五輪初出場の村上は壇上で、持ち前のユーモアを交えながら堂々と語った。スピーチ内容をメモしたスマートフォンを片手に、「タンク村上こと村上英士朗です」と、まずは自身のニックネームをアピールしながら自己紹介。「ウエートリフティングというスポーツを愛して、毎日のトレーニングに打ち込んできた成果が実を結んだ」と実感を込めた。 体重135キロから繰り出すパワーを武器に、世界一の力持ちを決める男子最重量級で戦う。メダル獲得を目標としつつ、競技の魅力をより多くの人たちに伝えることが大事とも心得る。「ウエートリフティングは私の人生の一部。すべてを賭ける価値のあるスポーツ。大会では自分の限界を超えて、新たな自己記録を樹立できるように頑張りたい」「この競技の美しさと力強さを世界中の人たちに伝えたい」。ときおりスマホ画面を確認しつつ、自分の言葉を丁寧につむいだ。 会見を終えたあとは「緊張しちゃったんで…だめでした」。巨漢を揺らして屈託のない笑顔を見せつつ、「(スピーチの内容自体は)100点だったと思います」と分厚い胸を張った。 五輪選考のための国際ランキング10位。ぎりぎりのところでパリへの切符をつかみとった。「(選考レースの)序盤の2大会は納得できる結果ではなかった。後半大会はあまり考え込まずに、自分の試合がやりたい試合をやろうと気持ちを盛り上げていった」と振り返る。 闘魂を燃やすため、バーベルを持ち上げるさいには心から叫ぶ。「プロレスラーになった気分で、『うおー』と声を出した。それができたから、記録が出せたかなと思う。なので、パリ五輪でも『うおー』と声を出していきたい」と誓った。 28歳にして好きなレスラーは力道山。「池上本門寺にお墓があるので、メダルを取って報告にいきたい」。時空を超えたスーパースターの存在も励みに、ウエートリフティングの面白さを、明るく大きな声で発信していく。【奥岡幹浩】