米軍オスプレイの小川原湖訓練、2025年再開へ 青森・東北町、最大16日間
小川原湖(青森県東北町)で行われてきた米軍輸送機CV22オスプレイによる訓練が2025年に再開されることが20日、決まった。23年には同型機が鹿児島県屋久島沖で墜落。24年は実施されなかった。25年1月から10月までのうち、最大16日間行われる。 日米両政府の外務、防衛担当者による日米合同委員会で合意した。合意文書によると、在日米軍による1日の訓練時間は日没前後の各3時間、計6時間を超えない範囲と取り決められた。機体を湖面ぎりぎりまで下げて乗員を飛び込ませたり、湖上の空中で人をつり上げたりする訓練に臨む。東北防衛局は同日、基地に関係する三沢市や東北町などといった関係自治体に合意内容を伝えた。訓練の2週間前までに日本側へ事前通告するルールは引き続き踏襲される。 在日米軍は横田基地の所属機を使って小川原湖で21年に5日間、22、23年にそれぞれ4日間の計13日間、訓練してきた。22年には湖全体の7分の1に当たる9.1平方キロにまで訓練可能な水域が大幅拡大されている。ただ訓練で使われてきた同型機は23年11月、鹿児島県屋久島沖で墜落して米兵8人が死亡。変速機の故障が一因で、米軍のオスプレイが一時、全世界で飛行停止を余儀なくされた。 三沢基地周辺町内連合会の種市光雄会長は「オスプレイが飛んでくることは、われわれに止められない。とにかく安全第一で飛行してもらわなければ」と話した。 ◇ CV22オスプレイ 米軍が保有する特殊作戦用輸送機。主翼両端にあるプロペラの角度を変え、ヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機並みの速度での長距離飛行が可能。沖縄県に既に配備されている海兵隊のMV22と基本性能は同じだが、過酷な条件下での任務が想定されており、夜間飛行能力が強化されるなどしている。