公道区間は半分だけ!?それでも歴史的な日本初の公道・自動車レース(フォーミュラE・東京コース解説)
2024年3月30日(土)、いよいよ「フォーミュラE世界選手権」の東京大会「2024 Tokyo E-prix」がお台場で開催されます。J SPORTSでは今シーズンも「フォーミュラE世界選手権」をライブ中継!もちろん東京での戦いもオンエアされます。
待ちに待った初開催を前に「フォーミュラE」が各方面のメディアで取り上げられるようになってきました。小池百合子・東京都知事が開催決定の前段階としてフォーミュラEとのパートナーシップを発表したのは2022年秋のこと。それ以前も幾度となくフォーミュラEの開催は業界でも噂されていましたが、噂されては消えの繰り返しでした。それくらい都市部でのモータースポーツ競技開催、ましてや公道を使用する自動車レースとなるとハードルが相当高かったからです。
メディアが注目するのはやはり「日本初の公道自動車レース」であるという部分でしょう。2020年に島根県・江津市で「A1市街地グランプリ」というレースが日本初の公道レースとして開催されたため、厳密にはフォーミュラEの公道開催は日本初ではありません。しかしながら、同イベントはレーシングカートを使ったレースであり、自動車を使った正式な選手権レースとしては今回のフォーミュラEが日本初の試みとなります。
もちろん、WRC(世界ラリー選手権)の「ラリー・ジャパン」など公道区間を封鎖して行うモータースポーツはすでに存在していましたが、公道をサーキット化させるレースとなると日本ではなかなか許可がおりなかったのです。
2000年代には北海道の小樽市でアメリカの「チャンプカー」(CART/現在はインディカーと統合)を公道で開催する計画がありましたが、資金難で頓挫。街をその週末だけの特設サーキットに変身させるには、安全を担保するタイヤバリアやフェンスの設置、路面の整備、ノウハウを持ったスタッフの召集などが必要で、たった3日間のために支払うコストは莫大になってしまいます。やはり潤沢な資金を持った自治体でなければ実現が難しいのが公道自動車レースの現実なのです。