実家に帰省すると「子ども時代の通帳」を発見。そのまま利用していい?元銀行員が注意点を解説
連休やゴールデンウィークなどを活用して実家に帰省した際、片付けや断捨離を手伝うことも多いでしょう。 【休眠預金に注意】子どもの頃の通帳、10年以上利用がないとどうなる? その中で、懐かしい思い出の品や写真だけでなく、「子ども時代の通帳を見つけた」ということもあるかもしれません。 通帳の名義は自分のものであっても、両親が開設した銀行口座をそのまま使うことはできるのでしょうか。 本記事では、子どもの時代の銀行口座を利用する際の注意点について、元銀行員の筆者が解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
注意点(1)10年以上使っていない場合は休眠預金になる
古い通帳を利用する際に知っておきたいのが「休眠預金」の仕組みについてです。 金融機関の預金口座は、10年以上入出金などの取引がない場合は「休眠預金」として眠りに入ってしまいます。 預金保険機構の公表によると、2022年度に休眠預金となった預金は約1500億円にものぼります。 「通帳を見ると何年も動きがない」という場合は、休眠預金となっているかもしれません。 休眠預金に入ると入出金などの取引に制限がかけられるため、引き出しを行うためには銀行窓口での手続きが必要となります。 その場合は、通帳や印鑑、本人確認書類などを持参して窓口にて出金手続きを行いましょう。
注意点(2)金額によっては「名義預金」とみなされることがある
通帳に入金している金額によっては、「名義預金」とみなされる場合があります。 名義預金とは、「実際のお金の持ち主と違う名前で預けられた預金」のことです。 たとえば、「子ども時代にもらったお年玉やお祝い金を入金している」という場合は、お金の持ち主と名義人が一致しているため問題ありません。 一方、「両親の資産を子ども名義の預金に移し替えている」という場合は注意が必要です。 このケースでは、「贈与が成立しているか」という点が重要になります。 もし名義人が成人後も両親が通帳に入金を続けており、名義人本人がその事実を知らない場合は、贈与が成立しているとはいえません。 贈与では、「贈与を行う人」と「受け取る人」の双方の意思確認が必要であるためです。 したがって、きちんと贈与の手続きを踏まずに入金されたお金は名義預金とみなされ、相続時に課税対象となってしまう可能性があります。 通帳に入金されている金額が大きい場合は、両親に入金されたお金の原資と経緯を確認しておくと安心です。