松山城・城山の土砂崩れから1週間…初めて一時帰宅した住民は「本当に怖くて近づけない」自宅の解体を決断
南海放送
松山城の城山で発生した土砂崩れからきょうで1週間。被災地では今も土砂の撤去など復旧作業が続いています。 「恐怖でしかなかった」 住み慣れた自宅を解体するという決断に踏み切った男性を取材しました。 Q.自宅を見るのはいつぶり? 岡田さん: 「もうその時、その日以来ですよね」 Q一週間ぶり? 「そうですね」 発生から1週間となったきょう。市内の親類の家に身を寄せ避難生活を送る男性があの日以来、初めて一時帰宅をするため現場を訪れました。 岡田敏明さん(60)。当時、自宅の2階で寝ていて被災しました。 Q.こちらが今回倒壊をした家屋だが、岡田さんの家は? 「こちらになります」 Q.すぐ真横? 「真横です。結構土砂が流れる音がゴゴゴーとした。何の音かなと思ったらいきなりバキバキバキという音がして、左に小窓があるがそこから懐中電灯を照らしてみてみると土砂が流れていて」 ちょうど1週間前の今月12日、午前4時前。寝静まった住宅街に大量の土砂が押し寄せました。 木造の民家1棟が土砂に押しつぶされ倒壊。この家に住む90代の夫と80代の妻、40代の息子の親子3人が心肺停止の状態で発見され、その後、死亡が確認されました。 岡田さん: 「(亡くなった90代の男性が)3、4年前に散歩されていたりもしたので多分少し足は悪かったと思うが、顔もしっかりいまだに覚えているし本当に心苦しい、それに尽きる」 岡田さんが住んでいたのは、土砂に押しつぶされた民家のすぐ隣でした。 岡田さん: 「現実とは思えなかったというのが事実。間近でこんなことがまさか起こるとは思わなかったし、夢であってほしかった」 きょうは市の職員とともに、およそ1時間、自宅の状況を確認しました。 岡田さん: 「2階に上がるのも色々なものをずらさないと上がれない状況だったし、玄関は結構泥がつまっていた。大事なものとかもこんなになってしまったのかという感じ、いままで何十年も住んでいたので…」 被害を改めて目の当たりにし、長年住み続けてきた自宅を解体するという決断に踏み切りました。 岡田さん: 「戻りたくはない、怖いです。仕方ないですよね、どうしようもないですよね、本当に怖くて近づけない」 あの日の出来事は、岡田さんの脳裏に鮮明に焼き付いています。 岡田さん: 「本当に恐怖でしかなかった。(今も避難先で)寝ていても寝られないし、物音ですぐ起きてしまうし。何かがあったときはすぐ逃げないといけない、とにかく逃げないといけないということで、大事なものは寝るときであれば枕元に置いておくとか、今後も対策をしていこうと思う」