J3が約3カ月遅れで開幕!初参戦FC今治はドロー発進…オーナー”岡ちゃん”「方向は間違えていない」
「選手、スタッフは自宅待機とさせています。バックオフィス、アカデミーやホームグロウンのコーチたちも、原則テレワークで事務所への出勤を限定し、会議などもTV会議などで行っています。今治初のJリーグの開幕を楽しみにしていただいていた皆さんには、本当に残念で申し訳なく思っています」 緊急事態宣言の全面的な解除を受けて、再開および開幕の日程が決まったのが先月29日。しかし、政府の指針に沿う形で、最初の2試合は観客を入れずに行われることが決まった。今治は来月4日の第2節で、ホームにロアッソ熊本を迎える。Jリーグの仲間入りを果たして初めて開催する、ホーム開幕戦を応援してくれてきた地元のファン・サポーターへ直接見せることができない。 岐阜との開幕戦で経験した、無観客試合の呼称が改められたリモートマッチで、実際にプレーした選手たちは不思議な感覚を抱いていた。ピッチへはバラバラに入場し、キックオフ前の集合写真も肩を組む形ではなく、ソーシャルディスタンスを取って撮影された。前後半の開始前に組む円陣も選手同士が距離を取るため、必然的に円の直径が大きく広がってしまう。 この試合では両チームに訪れることはなかったが、ゴールが決まった後も抱き合って喜ぶような行為は禁止され、距離を取ることが求められていた。静寂に包まれたスタジアム内の状況を変えようと、岐阜は楽器メーカーのヤマハが開発したリモート応援システムを採用。スタンドに設置されたスピーカーから、ファン・サポーターがスマホなどを介して届ける歓声や拍手が響いた。 「正直な感想を言えばやっぱり寂しい気持ちがあるというか、試合ができるのにお客さんの声が聞けないというのは、選手としては気持ち的にすごく難しさはあります。ただ、相手も同じ条件ですし、それを言い訳にすることはできないので」 ゲームキャプテンを務めたMF楠美圭史が、試合後に臨んだオンライン取材で苦笑いを浮かべた。試合から遠ざかったブランクが響いたのか。先発したFW林誠道、そして41歳のMF橋本英郎が足に違和感を生じさせながらプレーした状況を前にして、別の選手を交代させることを考えていたラモス監督が、ベンチ前のテクニカルエリアで逡巡し続ける珍しい光景も生まれた。