井岡一翔は日本人初の4階級制覇を果たせるのか。そしてその先に抱くビッグマッチ構想とは?
前日計量は、派手にショーアップされていた。文京区にある東京ドームホテルの大きな宴会場の中に舞台が作られ、ラウンドガールもスタンバイ。メディアにもたくさんの席が用意され、選手は試合用の入場曲で入ってくる。渋谷の109前ステージでの調印式に続いてラスベガス的な演出。 今日19日、千葉の幕張で行われるWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、日本人初の4階級制覇に挑む元世界3階級王者で、同級2位の井岡一翔(30、Reason大貴)のマネジメント会社がプランニングしたものだが、従来の日本のボクシングの価値観を変え、人気向上につなげようという狙いがある。その試みは買いだ。 井岡も、対戦相手である同級1位のアストン・パリクテ(28、フィリピン)も共に計量を一発でパスした。 復帰後、初の日本での試合となる井岡にとって慣れた環境は追い風になる。 「いいコンディションに仕上がっていると思う。でもリカバリーは難しい。なんでも(食事を)取ったらええというもんじゃない。ただ自分で生まれ育った場所での試合だから(リカバリーも)やりやすい」 海外の2試合では、スーパーでの食料調達だけでも苦労したが、日本ではそういう心配はいらない。「ホテルにいるよりも家いたほうがリラックスできる」 計量後、ルールミーティングにも出席した井岡は自宅に帰った。 井岡は、大晦日にマカオでドニー・ニエテス(36、フィリピン)と同王座を争ったが1-2の僅差の判定で敗4階級制覇に失敗した。その後、ニエテスが王座を返上したため、昨年9月に米国で行われた「スーパーフライ3」でニエテスと対戦、ドローに終わっていたパリクテと井岡が空位となった王座を争うことになった。 「結果で証明したい。僕がやりたかった、見せたかったことを日本で久しぶりに見せられると思う。口だけでなくパフォーマンス。言ってきたことを4階級制覇という形で見せたい」 有言実行あるのみ。 一方、パリクテは意訳中の意訳といった通訳を通して「いつでも勝つもりでいる。チャンスがあればKO狙う」と、自信満々に語った。 果たして井岡は勝てるのか?